第1回「こども笑顔ミーティング」の報告

2016年1月31日、アプリコ地下展示室にて第1回「こども笑顔ミーティング」が開催されましたのでご報告いたします。(参加者約200名)

報告者の話を熱心に聞き入る人たち1

 

 

 

 

登壇者の話を熱心に聞き入る人たち

 

代表あいさつ

近藤博子(気まぐれ八百屋だんだん店主)

2012年より子ども食堂を開始。食べる・お金・学習のみの問題ではない。複雑な社会だから、支援する側の横の繋がりが必要。ゆるやかなネットワークを創っていきましょう。

第一部「子どもの現状を知ろう」


釘宮禮子シスター

(久が原・児童養護施設「聖フランシスコ子供寮」元寮長)

「虐待を受けた子どものこと」

2歳~18歳の子どもたちを家庭に代わって養護して40年。

●施設に来る理由の変遷
40年前はサラ金で夜逃げした母親に置き去りにされた子ども、次に校内暴力が横行した時代は若年結婚によって生まれた子ども、そして現在は虐待によって、家族から引き離された子どもたちが来ている。時代の負の部分、影を背負わされた子どもたち。

●子どもの心の育ちと虐待
・0歳~1歳までの間に心の土台ができる。基本的信頼感、愛着
・授乳中、子どもは母親の顔をじっと見つめている→自然と顔が似てくる
笑顔の母親か眉間にしわを寄せた母親か?そして「愛情」が子どもには伝わる

●不足した愛情を何で補うか
子どもは、親・生まれる場所、時代、担当教師も選べない
→逃げ場のない子ども
・家庭からはじかれた子ども
→人をはじく子どもになる
・母親が自分を助けてくれなかった
→助けを求めない、求められない人になる
・スキンシップをしてもらえなかった→体に絵の具を塗りたくる
(子どもは本能的に肌感覚を求める)
・泣くことが許されなかった子ども
→感情を抑える、無表情、緊張、人を寄せ付けないオーラ
・愛着、心の基地がない
→思春期に大きな問題、家出、無断外泊、自己肯定感が低く、
自分を大事にしない、人を受け入れない、物を大事にしない、過度な被害者意識。

●施設の役割

虐待の連鎖を断ち切るために親の支配下から抜けること、親を超える存在になることをめざして支援をする。

・施設職員に暴言をはく子ども→安心しているからこそ
・施設の良さ→引きこもっていられない、年齢層が広いので、兄役も弟役も両方経験できる

白旗眞生さん(調布市・中高生の居場所キートス主宰)

10歳~30歳まで、週5日、昼夜の食事を提供。
プログラムは特になく、安心していられる場所にする。
「いえだったら、親だったら、どうするか」という観点で対応する。「ただいま」と帰ってきたら、「おかえり」と大きな声で答える。
児童養護施設の退所後の人や児童養護施設に行けなかった子どももいる。
精神・知的・発達障害の子どももみんな一緒に暮らし、学び合っている。
子どもたちの小さな変化を喜び、心を開いて一歩踏み出すのを待っている。

彦部幸子さん

(ススム寺子屋主宰、
NPO法人さいたまユースサポートネット学習支援教室スタッフ)

「学習の教室からみえた子どもの世界と未来に向けての提案」


●学校の問題

授業は多様化が求められるが、一斉授業が主流であり、学ぶ場は選べない。
先生は忙しくて、授業準備ができない。保護者ニーズ多様化。

●放課後

居場所の不足、物理的、精神的にも。オンラインが子どもの居場所になる。

●保護者
子どもに自己投影し、それが悩みになる。逃避されると手に負えなくなる。
保護者も孤独。

●さいたまユース・貧困対策

対象は中高生、家庭環境は貧困・暴力・非行
学習、小学生からつまずいている。
→生きる上で最低限の技術を。

●課題:人と人をつなぐ
気軽に行ける場所、信頼できる、保護者が気軽に相談できる場が必要。
コーディネーターを増やす。公的な財源。
成果はすぐに見えない。採算ベースではない、柔らかい価値観が必要。
子どもの本来持っている力を引き出していきたい。

3人の登壇者1

 

 

 

 

3人の登壇者

 

第二部
「みんなで考えよう!子どもの居場所」

ワークショップ (参加者120名)


グループに分かれて「こども未来新聞」を創る

創造的な子どもの居場所がいくつも誕生、意欲的な新聞がいくつもできた。

こども未来新聞1

 

 

 

 

 

こども未来新聞

★キューバの子どもたちの絵の展示

「わ たしのたからもの」というテーマで描いてもらったキューバの子どもたちの絵。どの子どもも「もの」を描くのではなく、家族や自然を生き生きと描いている。 経済的には厳しい中、国の政策は子どもの教育が一番大事だとして、教育費は大学まで無償。医療費も。豊かさの本質を考えさせられた。