いじめは横浜だけですか? 政府が福島いじめをしていませんか!? 報告・「福島の今」を考える集会

住宅支援の打ち切りは撤回すべき

報告:「福島の今」を考える集会

11月19日(土)大田区消費者生活センターにて
主催:蒲田ちいきの会

 

福島原発の事故からもうすぐ6年。福島県と国は全国に避難している人(自主避難者を含めて9万人)に対して帰還を呼びかけている。
ホットスポットはまだいたるところにあり、農地も荒れて、生計の目途もたっていないのに、自主避難者の住宅支援を今年度3月末には打ち切るという。こんなこと でよいのか・・・・福島の現状をまず知ろう、という主旨で、自主避難者の方と現地で訴訟問題に関わっている議員を呼んでの集会。参加者50名は厳しい現状 に驚きながら、聞き入った。

福島の甚大な被害は目に見えるものだけではない。補償問題は共同体や家族をも分断する。福島の 苦しみは計り知れない。議会は国の意向を重んじる傾向があるが、川俣議会は徹底的に住民側にたって戦っている。国はあてにならない、ということを身をもっ て経験したからか。“人権”が踏みにじられている福島。しかし報告者の菅野議員の明るさと明快な闘う姿勢「あきらめたらダメ」に議員の神髄をみた。

 

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お二人の報告をかいつまんでご報告いたします。

 

ふくしま野風さん(現在5歳の子どもと一緒に福島県中通りから都内に自主避難しているママ)

・「おめでた」の告知からわずか3日で大震災
2011 年3月9日に産婦人科で妊娠を告げられる。喜んだのも束の間、母子手帳をもらいにいったときは、防護服をつけた人がガイガーカウンターをもって、放射能測 定をしている。初めての妊娠と放射能に対する不安と恐怖に押しつぶされそうになりながら、4月には神奈川県に自主避難し、以後7回避難先を替える。不安か ら涙が止まらない日々。しかし泣きすぎるとお腹が痛くなるので、流産を恐れて思い切り泣くこともできず、自分の気持ちの折り合いをつけるのが難しかった。

・原発事故別居・東京での出産
東京助産師会主催の「東京里帰りプロジェクト」で福島の妊婦が受け入れられ、1か月の産褥入院をさせてもらえたのはありがたかった。避難別居から離婚に至る 人は多いが、原発離婚であっても、ただの「母子家庭」。なんの援助も受けられず、生活は苦しい。給付型職業訓練をしてほしい。

・福島への帰還は不安がいっぱい
空間線量は別に、土壌汚染は報じられないが、実は深刻。事故後、鼻血を出す子どもが増えたが、因果関係などなんの報告もされていない。モニタリングポストの 周りだけ除染するなど、国の隠ぺいにより汚染の実態がわからず、今後どういう形で子どもに影響があるか不安で、簡単には帰れない。

・住宅支援の打ち切りで路頭に迷う
住宅支援が打ち切られるのは本当に困る。都営住宅では子どもが大きくなったら、出なくてはならないとか、収入要件があって、少し収入が増えただけで出なくて はならないなど、生活基盤ができたところをまた不安定な生活に追い込むのか。自主避難者は月10万円の精神的損害賠償ももらっていないので、生活が困窮す ることは必須。

 

菅野清一さん(川俣町議会議員)

東京新聞の記事でも取り上げられています。

「古里を失う」とは 原発賠償裁判・山木屋検証から

・川俣町山木屋地区に見る国の隠ぺい
350 世帯1,200人の山木屋地区は原発から40キロ離れている。事故直後、6千人の避難者を受け入れ、その対応に追われるも、町には国・県・東電からも何も 連絡なし。風向きにより山木屋地区が高い放射性物質が降る地域であることは外国からの情報で国は把握していたが、町には知らされず、1か月以上たってから 避難指示の説明会。

・ゼネコンが儲かる仕組み
今日までの川俣町の除染に900億円使われる。大手ゼネコンの作業員が2300名入って除染。フレコンパックの袋は1枚800円のところ、中間マージン入り 1枚6,900円で取引されている。それが55万袋、84%が農地に山積みになっている。焼却できるものは焼却するとのこと、大手ゼネコンは大きな焼却炉 も作る。

・危ない原発、アンダーコントロ-ルなわけはない
山を削って作られた原発立地は地下水が豊富。凍土壁は凍らず、汚染された地下水は海に垂れ流し。1号機から3号機までは建屋の上の方に使用済み核燃料プー ルがあるが、高い放射線量で近づけず、取り出せない。もし今後、建屋の破損、燃料棒が露出・爆発が起きたら、とりかえしのつかないことになる。原発事故だ けは、避難計画はあっても無理。

・年間1m㏜の原則に反する。年間20 m㏜以内なら帰還せよ、とは
甲状腺がんのことも情報公開が遅い、しかも発表されたのは福島医科大調査の174人。実際はもっと多いはず。原発との因果関係もいまだに不明としている。 IAEAとの協定書には「どちらか一方が秘密指定とした情報については秘密性を確保する」とあり、隠ぺいありき、の体制。

・福島での自死2,038人
故郷の生活を失い、生活再建の目途も希望も持てず、補償金をめぐっては地域や家族の分断。避難した先で生活基盤のできた人、避難したくてもできなかった人、 苦しみの大きさは、自殺者が、岩手459人、宮城920人のところ、福島が2038人と断トツ多いことからもうかがうことができる。住民の立場にたった支 援策が必要。

・川俣議会の奮闘
安倍政権になり、強制避難地区の避難解除が次々と進む。この5月議会には町より山木屋地区の8月解除の目標が提案されるが、議会は猛反発。8月解除は断念さ せる。調査の結果、避難解除の条件が整っていないことから各省庁に要望書提出。来年3月解除に向けて、国と避難解除の確約書を文書化、協議の場を設置。

 

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