大田区議会の海外視察、今年もヨーロッパ、アメリカ、中国へ。報告会はなし?

大田区議会の海外視察、今年もヨーロッパ、アメリカ、中国へ
「報告会をしてほしい」と区民からの陳情

しかしこの陳情を不採択に!!

 

12月8日、議会最終日。多くの陳情や請願に対しての採決がなされました。その一つに、「大田区議会・海外視察の報告会を開催することを要望する陳情」がありました。

この陳情の主旨は、親善訪問を含む視察の意義、区政への施策反映、会計報告が区民にわかるような、報告会を求めるものです。

大田区議会は23区で唯一、毎年、議員団でヨーロッパ・アメリカ・中国などに視察に行っています。約1,600万円をかけて、区政の課題を解決するために他国の先進事例を学んでくるのであれば、区民にもその成果を情報公開し、意見交換のできる双方向の報告会を求めるのは、ごく当然のことだと考えます。

しかしこの陳情は残念ながら不採択でした。審議されたのは、議会運営委員会でしたが、審議の中では毎年3月に発行される議会年報が大田区のHPで見られるのだからそれで充分だという反対意見もありました。

区民が求めているのは、一方的な報告書ではなく、双方向的な意見交換も含めた区民に開かれた報告会を意味してのことでしょう。

舛添前都知事の海外視察費の使い方から、自治体議員の海外視察、政務活動費に関心が向けられています。区民の区政への関心を真摯に受けとめ、税金の使い道に無駄がないか点検していく必要があります。

この陳情を採択すべきとの表明をしたのは、大田・生活者ネットワーク、共産党、維新の党、フェアな民主主義、緑の党、でした。

以下、陳情文と私の採択を求めての討論です。

 

陳情文

↓クリックでPDFが見られます

訂正:陳情「海外視察報告会開催について」[3413]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

採択を求めての討論

「大田区議会・海外視察の報告会をすることを要望する陳情」を採択することを求めて討論をいたします。

この陳情の主旨は、
1、区議会で開催されている親善訪問を含む視察の意義、区政への施策反映、会計報告が、区民にわかるような報告会をすること。

2、報告会実施については、多くの区民が参加できるように、区議会だより、また大田区報などで知らせること。

を求めるものです。

舛添前都知事の海外視察費の使われ方が問題になり、各自治体議員の海外視察、また政務活動費の使われ方に国民の関心が向くようになりました。このような世の中の思いに応えることは大切で、今こそ、きちんと答えることで議会の役割、議員の仕事の意義を区民にわかってもらうよい機会にすることができるのではないでしょうか。

今回の視察のテーマは「産業」と「教育」と聞きました。

今、自治体として取り組むべき喫緊の課題は、待機児対策、特養の待機者問題、貧困の連鎖など、まったなしの問題への解決策を議員はとくに一丸となって探っていくべきときです。

解決策が、他国に見つかれば、ぜひそれを共有し、大田区民の福祉向上のために仕組みとして、練り上げることを望みます。

議会運営委員会での審議においては、報告会を開催せずとも「区議会年報」に載せるのだから、報告会は必要ない、との意見もあったと聞きましたが、報告会を希望する意味は、双方向、意見交換を望んでのことでしょう。

開かれた議会を目指して、超党派で議会全体として「議会報告会」を開催する自治体も増えてきていると聞きました。行政と議会と区民が、できるだけ垣根をとって、よりよい大田区のために知恵を出しあい、協力体制をとることが大切だと考えます。

報告会は、どこで、どのような先進的な事例があり、大田区にどのように活かせるのか、議員の生の感動を伝えることのできるまたとないチャンスになるのではないでしょうか。

23区の議会の海外視察について調査したところ、15区が実施しておらず、大田区以外では毎年実施しているのが台東区ですが、台東区は議長のみの参加です。あとの6区は友好都市に5年おきなど、周年行事で参加しているというもので、大田区のように議員団が純粋に視察にいく自治体は大変めずらしいということがわかりました。

今年の収支はまだ知らされていませんが、27年度決算では1千5百万円余の海外視察での費用です。このことが示す、大田区議会の積極的な姿勢を区民に知らせ、課題解決策を提示する機会として、報告会開催をすることを希望し、陳情の採択を希望して討論といたします。

 

ちょっと収支を計算してみました

本当は内訳も知りたかったのですが、請求した「議員旅費」の資料はほとんど黒塗りで、内訳がわかりませんでした。議会事務局に人数の設定の理由を尋ねると議員50人が期のうち1回は行けるように人数設定しているとのことでした。しかし、実際には行かない人は行かないし、行く人は行く、ので、50人が期のうちに1回は行く、という原則(?)はないに等しいのが現状です。

 

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海外視察収支23年度~(2814)