0歳は奇跡の成長を遂げる : 大田区議会 質問に対する回答
「子育て支援」はさかんにいわれるようになりましたが、それは「親支援」がほとんどのような気がします。もちろん親の養育力を高めることは重要ですが、一番大事なのは、大人が「子どもが自ら育つ」姿に感動することではないか、と思うのです。ある人が0歳は奇跡の成長を遂げる、といっていましたが、赤ちゃんは周りを実によく見ていて、よく理解していっているのです。ですから、その力が最大限に発揮できる環境を創っていきたいと願いを込めて、以下の質問をいたしました。
私は41分過ぎからの登場になります
「子どもの育つ力を応援すること」
憲法には基本的人権がうたわれており、また日本の批准している「子どもの権利条約」には子どもは「到達可能な最高水準の健康を享受する」権利を有するとあります。
この理念をもって改正された児童福祉法では、「子どもは適切な養育・成長・発達・自立を保障される権利を有する」とされ、これまでの「保護」される存在というより子ども自身が発達する権利の主体であることが明確化されました。
●奇跡のような新生児期の脳の発達
まず、乳幼児時期、とくに0歳児、生まれてから1歳になるまでの間の重要性を考えていきたいと思います。
重要性がわかる事例として、児童養護施設の子どもたちの例からお話しします。今、その7割が虐待を受けての入所ですが、虐待によって、子どもは心身に障害を持ったり、人や社会を信じることができず、自尊感情が極端に低いわけですが、比較的大きくなってから虐待を受けた子どもは、支援により、親を一人の人間として客観的に見られるようになると、「あの時はお母さんは大変だったんだ、自分が悪いのではない」と立ち直れる場合もあるそうです。しかし、0歳の時期に虐待を受けた子どもは、人格を破壊され、その心身の障害は大きく、社会でいきていくことが難しいと聞きました。
では、なぜ0歳児なのか、この世に生を受けて、最初に自分の命を守ってくれる人を認知し、信頼関係を作る時期だからです。養育者との愛着関係・応答的な関係が成長を促します。たとえば授乳中、赤ちゃんがお母さんの目をみつめ、お母さんがそれに呼応して微笑みながら、話しかける、すると赤ちゃんもあぶあぶと喃語で返して、そうして成長するわけですが、今は、さらに、脳科学が進み、生まれてからの1年は脳が飛躍的に発達する時期だと解明されています。特に生きるための脳、脳幹が一番発達する時期です。脳幹というのは体の調整機能、呼吸や脈拍、血圧や体温、食欲や性欲、睡眠欲など生きていくうえで必要不可欠な体の機能、根源的な欲求を司る脳です。そこで赤ちゃんが発する「おなかがすいた」「ねむい」などの様々な基本的欲求に養育者、お父さんやお母さんが的確に対応することで、脳幹がよく発達します。
生活リズムがとても大切で、朝の光を浴びると脳内ホルモンの「ドーパミン」別名、意欲ホルモンが出て、日が沈むと「メラトニン」という睡眠ホルモン、これは別名、成長ホルモンが出るのですが、夜寝ている間、昼間体験したことを整理して、次への成長へとつなげる大事なホルモンだといいます。これら神経伝達物質の働きで、体も骨も夜成長し、さらに生きる意欲、ストレスへの強さにも関わってくるといいます。虐待にあった子どもが、認知や情動や健康的な問題を長期的に抱えるのは、脳の発達が阻害されてきたことにあるのです。ごく最近の脳科学の知見では生後6か月から10カ月の間に正義感の発達の芽生えもみられるということですので、この時期の脳の成長のスピード・感受性ははかりしれず、養育環境の影響の大きさに心しなければなりません。
【Q1】
お聞きします。大田区では、両親学級において沐浴の仕方や抱き方など、具体的な赤ちゃんとの生活の仕方を習います。もちろんそれも大事なことですが、健全な脳の発達を基盤とした健全な心身の発達についての知識を得ることが重要です。親たちがこのことを学ぶ機会が出産前にありますか。
もしないのでしたら、両親学級などに組み込むか、他の場面でもよいのですが、学ぶ機会を作ることはできませんか。
【A1:鈴木 健康づくり課長】
妊婦の方が子どもの発達特性を知り、愛情をもって適切な育児をするための知識を得る機会として妊娠届時にお渡ししている母子健康手帳副読本や子育てハンドブックがあります。また平成28年7月から開始した「きずなメール」も胎児期から自分の子どもへの愛情が深まっていく記事となっています。さらに、4カ月検診のときに配布しておりますリーフレット「乳幼児期を大切に」でも子どもの健やかな発達を促す育児のポイントが示されております。両親学級や検診時では、ことさらに発達特性に焦点を当てた情報提供はおこなっていません。しかし事業の随所で子どもとの接し方について、その理由や意義も含め、集団形式、または個別でお伝えして適切な養育が行われるように支援しております。今後も保護者の方の子どもへの愛着形成が培われるように支援してまいります。
事業の随所ではなく、ぜひ体系的に学ぶ機会をもっていただきたいと思います。
自分が子どもを産んで初めて赤ちゃんに接する親も多い昨今です。悪気はなくても、授乳している時をスマホを見る時間と決めている母親もいるとのことです。
やがてくる2歳時ころのイヤイヤ期も、大脳の神経回路、シナプスが爆発的に増加するので、脳の中の緊張が高まり、周りのことに敏感に反応して情緒不安定のようになる、その時期特有の脳の発達によるものだそうです。子どもの発達の一段階であると知れば、これは単なるわがままではない、うちの子どもだけの問題ではないと安心できるのだと考えます。ぜひ、乳幼児の発達特性についての学びの場を全ての親が持てるように検討してください。
●不登校を考える
子どもはその育ちをトータルでみていく必要があります。成長・発達は積み重ねだからです。
不登校児童について、考えたいと思います。
大田区では小中学校の不登校、30日以上の長期の休みの子どもが2015年は小学生が116人、中学生が398人、全部で514人でした。在籍者数の約3.6%です。
文科省の平成18年度の中学3年生の不登校の子ども4万人を調査した結果では、主な不登校の継続理由は、
「無気力でなんとなく学校へ行かなかった(43.6%)」
「身体の調子が悪いと感じたり、ぼんやりとした不安があった(42.9%)」
「いやがらせやいじめをする生徒の存在や友人との人間関係のため(40.6%)」
「朝起きられないなど、生活リズムが乱れていた(33.5%)」
「勉強についていけなかった(26.9%)」
「学校に行かないことを悪く思わない(25.1%)」
という結果がでています。特に上位の「無気力」「不安」、という心の傾向は中学3年になって急に起きた状態ではなく、小さい頃からの心のありようが影響していると考えられます。
「人間関係」ということでは、いじめられたわけではなくても、友だちとの意見の食い違いに対処できなかったり、少しのことで心が傷つきやすい子どもが多くなったとは現場の教師から聞いているところです。
【Q2】
お聞きします。不登校についての対策で、新たに実施するものにはどのようなものがありますか。
【A2:岩田 教育センター所長】
不登校対応の新たな事業としては、昨年10月から7校の中学校を対象に東京都の関係機関と連携した総合的な不登校児童生徒支援モデル事業を開始しました。この事業ではモデル校の教員の中から不登校対応の中心的役割を担うコーディネーター役を指定し、児童生徒ごとの支援計画を作成して個別支援を計画的に実施いたします。また教育センターにスクールソーシャルワーカー、訪問支援員等による支援チームを構成し、学校や適応指導教室等と連携をはかりながら、児童・生徒に対する福祉面、学習面での相談支援や福祉機関等と連携した家庭支援を実施し、ひきこもり状態の児童、生徒を適応指導教室の通室へと結びつけてまいります。来年度は、この事業のモデル校にさらに小学校6校を加えて早い段階からの支援を行ってまいります。
また二つ目として来年度から東京都の適応指導教室の機能強化事業を活用し、4か所の適応指導教室において通室初期段階の送迎や学習指導、スポーツ、レクリエーションを行う活動補助員を配置することやタブレットPCによる自主学習システムを導入する予定でございます。これらの機能強化により不登校の児童生徒の学校への復帰や希望に沿った進路選択に向けた支援の充実を実現してまいります。
ここに「ぼくの不登校2年半」という区内の小学校6年生が自由研究で2年半にわたる自分の不登校の時の心を見つめて書いた文章があります。4,5年生はほとんど学校に行けずに6年生からすこしずつ行けるようになったお子さんです。了解を取りましたので、少しご紹介します。
学校に行けなかった時、自分はもうなにもできないと思った。もうこれ以上学校には行けないのかな、寂しかった。5年生のはじめ、無理して頑張っていけばいけるかな、と思った。いったけど、どっと疲れていけなかった。行かれない自分はいけない子だと思った。どうしてこんなに、いけないんだよーと思った。
うれしかったこと
休むかもしれないのに、ずっとずっと友だちが、毎朝迎えに来てくれること、先生がアゲハチョウのさなぎを、お兄ちゃんに預けて届けてくれたこと、友だちと羽化の瞬間が見られたこと、時々行けたとき、みんなが普通に、いつものことのように接してくれたこと、先生が春休み、夏休み、冬休みに勉強を教えてくれたこと、校長先生と先生が、先生と生徒という関係ではなく、一人の大人として人間と人間の関係で、いろいろなことをしてくれたこと、「つばさ」も楽しかった、学校に行きにくい人がこんなにいるんだと思った、メンタルフレンドさんが、いろいろ遊んでくれておもしろかった。
うれしかったことば
行けないのは、あなたにとって何か理由があるはず。いけない子じゃないよ、ただ、学校に行けない子、なだけ。『ぼくはいけない子だ』と言ったとき、お母さんの言った言葉、ゆっくりでいいからおいで、校長先生・担任の先生・ともだち
行けるようになったきっかけ
それは友だちでした。
友だちが「明日は午前授業だから来てね」の一言。行ってみようと思った。行ってみたら、とっても楽しかった。
お母さんの言葉もご紹介します。
毎日のようにいただいたe-mall「だいじょうぶ」といつも支えてくださった担任の先生。
心からの温かい支援をくださった校長先生、専門家として的確な援助をしてくださった教育センターの相談員の方々、あたたかく迎えてくださった適応指導教室「つばさ」の先生方。自宅に来て、遊んで癒してくれたメンタルフレンドの方々、毎朝お迎えに来てくださるお子さんを、快く送り出してくださるお母様、さりげなく様子を見に来てくださった方、変わらず必ず声をかけてくださる方、本当にありがとうございました。
息子が今回、自由研究に自身の不登校を選んだのは、不登校せざるをえなかった自分を、本人がしかりと受け入れることができたということではないかと思っています。それはたくさんの方々の心からの温かい支えがあったからだと実感しています。これからも順調にはいかないかもしれませんが、本人がしっかり地に足をつけたことは間違いなく、自身の足で自身の道を歩んでいくことと思います。お母さんのことばでした。
この文章から教えられるのは、子ども自身が一歩踏み出そうとするときがあり、それを信じて見守ることの大切さ、あたたかい人との触れ合いが大きな励ましになっているということです。そしてそれは乳幼児期から、ずっと子どもの自ら育とうとする力を見守る環境の大切さを考えさせられるものです。
【Q3】
お聞きします。不登校に対して、大田区も懸命に様々な支援をしていることでしょうが、寄り添い方のメンタルフレンド事業は優れた支援の方法のひとつだと考えます。これからもこの事業は今と同じように行われますか。
【A3:岩田 教育センター所長】
メンタルフレンドは家庭内にひきこもっているお子さんに対して、話し相手や遊び相手になることにより、家庭以外の人との会話や関わり合いを通して外出の意欲を喚起することにつながっております。その結果として緘黙であったお子さんが話ができるようになったり、適応指導教室につながった方もいます。今後も不登校対策の有効な事業の一つとして継続してまいります。
この文章を書いた子どもは、今は、大学生で、大田区でメンタルフレンドをしているそうです。助けてもらったから恩返しをしているのだそうです。
●自立への道筋には“遊び”は不可欠
自立への道筋には、人とのふれあいや「楽しさ」は欠くことのできないものです。
その意味からも、次に遊びについて、質問いたします。
子どもは、遊びの中で、探求心や好奇心や意欲を育み、なにより主体的な遊びは「自分自身の意思」を育みます。友だちとの共感関係、連帯感や助け合い、想像力、人生を乗り越えるためのあらゆる要素が入っているのが遊びです。子ども時代の遊びの体験やいたずらの経験は誰にとっても楽しい思い出です。遊びが人に生きる力を与え、人生を豊かにしてくれる大切な栄養であることに気づかされます。
【Q4】
お聞きします。子どもの生きる力を養うのには「遊び」は欠かせず、遊びの中で子どもは多くのことを学びます。「おおた子どもの生活応援プラン」の中では、「体験」という言葉に集約されていますが、「遊び」そのものの価値を打ち出して、推進することを要望しますが、いかがですか。
【A4:石川 福祉部副参事(子ども貧困対策担当)】
プランには「あそび」という表現はありませんが、いわゆる楽しさや面白さ、というものは子どもの生活のあらゆる場面や成長過程に密接に関わっており、切り離せない要素であるととらえております。そこで、「経験、学力」、「生活、健康」、「居場所、包摂」の三つの施策の体系の中には楽しみや心の成長につながる要素も含まれております。特に経験学力の柱にある、経験の分野ではその要素が多く、ガーディンパ-ティや体験学習会など楽しみながら、人との関わりや文化・伝統に触れられる事業があげられます。活動やネットワーク構築の支援、公園の整備など、多彩な遊びの機械や居場所を提供できる環境を整えて整えてまいります。地域の方と共に子どもの成長を温かく見守る輪を広げてまいります。
しかしぜひ遊びそのものの価値がわかる表現を加えていただきたいと思います。
●冒険遊び場・プレーパークの必要性
公園について考えたいと思います。
ある男子中学生の話です。学校と家以外の居場所、遊び場がない。公園で走っていたら注意をされ、ボール遊びも禁止事項になっている、遊ぶところがないので、お金のある子はカラオケにいくけれど、自分はお金がないので、家でゲームをするだけだと。
大田区の公園は、ボール遊びのできない公園が多く、必ずしも子どもの立場にたって作られてはいません。子どもが楽しいと感じる公園とはどんな公園かを考える必要があります。
子どもの身体能力が落ちているということにも目を向けたいと思います。例えば、ころんで手がつけずに顔をケガする子ども、階段で足をひねって捻挫する子ども、跳び箱で手をついたとたんに手首を骨折する子ども、こんなことで?と驚くようなけがの報告を学校現場からも接骨院の先生からも聞きます。日体大総合研究所の所長は「子どもが転んだ時、身を守れなくなっている。本来持つ運動能力を発達させられなくなっている」と根源的な理由に身体活動の不足を指摘しています。
園庭のない保育園が増え、忙しい親は小さな子どもの歩みに合わせて歩くより、ベビーカーにのせて、移動します。道はどこもコンクリートなので、子どもをころばせられません。というなかで、子どもは歩くことも走ることも少なくなり、自然な起伏のあるところも少ないので、よじ登ったり、飛び降りたりする経験もしないのです。大きくなっても、一人で公園に遊びに行かせるのは心配だと、忙しい親は、公園に連れていけません。
公園で騒ぐことや、走ることやボール遊びを禁じられ、すべり台の上で、数人でゲームをしている男の子たち。この社会は、おとなしくて、じっとしている子どもを望んでいるのでしょうか。子どものゲーム依存、スマホ依存は必然なのかもしれません。子どもたちの健全な心身の発達を大いに憂慮するものです。
経済的に豊かな家庭は、スポーツ教室、水泳教室、バレエなど多彩な習い事で、子どもの体力の増進を図っているので、大田区全体では子どもの体力の平均値は全国レベルかもしれませんが、実態はどうなのでしょう。生活困難層を含めて、日々の子どもの運動遊び・遊ぶ場所を検証する必要があります。
【Q5】
お聞きします。子どもの生きる力を育む遊びを充実させるために、子どもの視点にたった公園づくりが必要です。小学校では、今、「放課後ひろば」事業が始まっていますが、中学年以上はあきたらず、利用は少ない状況です。野外で自然とふれあいながら、体を思いっきり使って遊ぶことのできる公園、川崎の夢パークや世田谷の冒険遊び場・プレーパークのようにプレーリーダーのいる公園を作ることができませんか。プレーリーダーは遊びの展開や発展をフォローする役割を担います。
経済的に厳しくても存分に遊ぶことができる冒険遊び場は子どもに平等に楽しい体験を保障するものとなります。
【A5:明立 都市基盤管理課長】
都市部の市街地では子どもたちが思いっきり外遊びができる環境が少ないことは我々も感じてございます。日々、公園等の整備を進める中で苦慮しているところでございます。
ご質問いただきましたプレーパークにつきましては、地形の起伏があり、自然が感じられ、ある程度の広さが必要であるとともに一定のルール作りや管理のサポートも必要です。自由な遊びができる反面、禁止されている危険な行為などの許可が必要な場合もあり、さらに地域や近隣との良好な関係を築き理解を得ることも大切です。公園でのプレーパークの取り組みの可能性については今後も引き続いても調査、研究してまいりたいと考えてございます。
●問題解決には横断的な取り組みが必要
子どもの育ちを保障するには、各部署が連携して実態把握をして対策や予防を考えていくことが、必要です。たとえば、小学校で骨折する子どもが多いのであれば、そのことを保育園や幼稚園の教師といっしょに分析して対策を考える必要があります。
今予算には、おおた子どもの生活応援プラン推進事業に727万円が計上されています。
【Q6】
お聞きします。とかく行政は縦割りになりがちですが、子どもの生活応援プランを推進するにあたって、各部署が横断的にあらゆる角度から、現場の実態をつかんで協議をし、施策にいかしていく努力をしていただきたいと考えますが、いかがですか。
【A6:石川 福祉部副参事(子ども貧困対策担当)】
子どもの貧困は複数の要因が複雑に重なっており、その対策には全庁挙げて取り組む必要があります。そのため今年度は庁内の横断的組織体である「要支援家庭等対策委員会」に企画経営部、産業経済部、観光国際都市部を加え、計10部局に拡充して検討組織といたしました。この委員会では生活実態調査結果の共有や生活困難層の定義、施策の柱に体系づける事業の選定などの協議を重ねてまいりました。また各部局において子どもの貧困対策の視点から施策検討を行いました。これによりプラン最終案では3つの施策の柱に体系づけた約150の事業のうち、子ども家庭部の子育てひろば事業など3つの新規事業のほか、33事業の拡充を予定しております。引き続き、子どもに接する様々な職場で子どもの生活の実態把握に努めると共に地域とも連携し、施策に生かしてまいります。
●子どもの意見を聞くこと
【Q7】
子どもの権利条約の中には、子どもの意見表明権があります。権利の主体である子どもの意見を聞くことで、社会を創っていくパートナーシップをきづき、子どもが未来の大田区を担う自覚にもつながると考えます。また大人の思い込みが押しつけになって、必ずしも子どものためにならないこともあるかもしれません。子どもの意見を聞いて、それを施策に結びつける計画はありますか。
【A7:石川 福祉部副参事(子ども貧困対策担当)】
本プランの作成にあたって子どもの声を聞くことは重要だと考え、区立小学校5年生をとらえ、生活実態調査をいたしました。単に調査のみで終わるのではなく子どもが今、何を考え、何を求めているのかを知る必要がございます。
今回、実態調査と合わせて保育園、児童館の職員やスクールソーシャルワーカー、子どもの代弁者でもある支援者に対しても個別ヒアリングを行いました。子ども自身はもちろんのこと、子どもの代弁者である支援者の意見にも耳を傾ける姿勢を持ち、子どもも社会の一員として参画し、ともに助け合い、共に地域社会をつくっていく担い手として活躍できるよう社会的包摂、ソーシャルインクージョンの実践に努めてまいります。
子どもには自ら育つ力がある。その力を育む環境を追求する大田区であってほしいと願います。人生のスタート時をいかに健全なものにしていくかが、持続可能な社会作りにもつながります。「子どもに最善の利益を」という権利条約の理念を実現していく大田区であってほしいと願います。
日本ほど子どもを大切にする文化をもっている国はないといわれています。江戸時代に盛んに遊ばれていた、「凧揚げ」は子どもたちに“大空をみて育つように”という願いが込められているそうです。コマ回しは「邪気を払うように」という願いが込められているそうです。ぜひ、「こいのぼり」を区役所か子ども家庭支援センターに立てて、日本のすばらしい文化を継承していきませんか。
以上。