さまざまな「生きづらさ」を持つ子ども・若者とその家族を応援する『子ども若者応援フリースペース』

不登校・高校中退・ニート・ひきこもりなど、
さまざまな「生きづらさ」を持つ子ども・若者とその家族を応援する

子ども若者応援フリースペース

(品川区西中延1-2-8)平塚橋ゆうゆうプラザ内

 

見学に行ってまいりましたので、ご紹介させていただきます。

 

毎週月曜日10:00~19:00・無料

このフリースペースは昨年5月から「平塚橋ゆうゆうプラザ」という複合施設で週に1度開設。建物は2階以上が特別養護老人ホーム、1階が多世代交流施設となっており、1階にはカラオケができるスタジオや入浴施設、レクリエーション室、交流スペースなどがある。

 

 

 

 

 

 

 

入口

 

 

運営団体:子ども若者応援ネットワーク

「子ども若者応援フリースペース」は1階の100㎡ほどのコミュニティ室を使って開設される。品川区の委託事業として「子ども若者応援ネットワーク」が受託しており、品川区・大田区で活動するNPO法人が協力団体になっている。それぞれの団体がみな「居場所」を運営しており、お互いの情報交換が果たす役割には大きい。(協力団体:ふれあいの家おばちゃんち・パルレ・夢の地図・ウーヴ・教育サポートセンターNIRE・ふぁみりーサポートちきちきネット)

 

 

 

 

 

 

 

フリースペース・広々とした部屋

 

専門性を持つスタッフが常駐。グループ活動や相談ができる。カードゲームを楽しんだり、食事を作ったり、ちょっと運動したり、思い思いにのんびりゆったり過ごす。フリースクールに来れば不登校でも学校の出席扱いになる。

 

 

 

 

 

 

 

フリースペースの中のキッチン

 

登録しているのは40人以上、一日平均20人ほどの来訪者。大田区から通う青年も少なくない。・・・年齢制限はなく40代の人もいる。遅い時間まで開設しているので、学校帰り、仕事帰りに寄ることができる。自信を取り戻して学校に戻る、就職に結びつく人もいる。

フリースペースの代表の中塚さんは元々、30年以上、エルムアカデミーという学習塾を運営、発達障害の子どもの支援のための「教育サポートセンターNIRE」の運営も行う。学習サポートの他に田んぼ体験やキャンプ、仲間と交流するフリースペース、社会体験活動、訪問支援・相談などに取り組んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

地域交流スペース(1階のロビー近く・だれでも自由に使える空間)

若者の居場所がない、児童センターは18歳まで。20代は行き場がない

訪れるのは不登校の生徒、ずっとひきこもりだった人や定時制高校在学者、大学中退者など。保健センターから紹介されてくることもあり、精神疾患のある人へのサポートもしている。症状が治まってリハビリ期間だとしても居場所がない。20代で働けていない場合の居場所がない。

 

サポートいろいろ

・お金がない、生活が厳しい
→1週間分の食料をもらえる(アルファ化米など、社協からの差し入れがある)
・手続きができない・申請書が書けない(漢字が読めない・意味がわからない)
たとえば「名前」はわかるが「氏名」がわからない、など。希望する職種と言われてもどんな職業があるのかもわからない。40代の女性、精神疾患があるが手帳はもっていない。親の成年後見をしなければならないが、財産管理の書類提出ができない。
→役所に付き添う
・夫のDVから逃げてきた(小学生の子ども2人)
→住民票がないので学校に行けない。学校との交渉や生活のサポート。
・自分からSOSを出せない人を見つけ出す

 

ヨーロッパの子ども・若者支援

支援者になるための学校があり、専門性が確立されている。
学校の教師も若者の支援をするコミュニティーワーカーもそれぞれに職業として確立しており、公務員。一方日本ではかつて教師が全てを担っていた。現在、教師は学校の勉強だけでいっぱい。学校以外の部分は、こぼれ落ちている。支え手がいない。日本では若者の支援についての価値が認められていない。
たとえば、「死にたい」と言われたら、どう返せばいいか。判断力・決断力が問われる。
ヨーロッパではスタジオのない児童センターはない。音楽や美術は若者の文化ととらえているから。卓球、ビリヤードもできる。調理も。

 

学校との連携

対応に悩む事例では、学校から相談されることもたびたび。フリースペースに来ている子どもについても、来ていない子どもについても。子どもの代弁者、子どもの側に立つ人として、子どもの権利を守る立場でいる。

 

課題

利用者には毎日開設を望まれる。週に1度であるなら、月曜日は体が重いので週の真ん中に開設するのが望ましい。