郷土を知る・麦わら細工の輝きは大地の輝きー大田区立郷土博物館特別展「麦わら細工の世界」
大田区立郷土博物館では、12月24日まで特別展「麦わら細工の世界」が行われています。
郷土博物館の入口
江戸時代、東海道の道すがら、大森には旅人の休む茶屋や土産屋が並んでいたそうです。そんな大森の土産の一つの「麦わら細工」は天然の艶やかな光沢と細かな手の技に目をみはるものです。麦わらを平らに開いて、のしたものを箱や板に貼っていった「張り細工」と麦わらをそのまま編んで動物などに仕上げている「編み細工」が主流だったそうですが、近代になってすっかり廃れてしまいました。今また、大森麦わら細工の復元を心みる活動が行われているそうです。
江戸時代の大森あたりの土産物屋
張り細工
編み細工
今回の展示には、世界の麦わら細工も登場していて、とても華やかです。ドイツのクリスマスツリーを飾る麦わら細工のオーナメント、ロシアやフランスの細工物ものもあります。生活に、食物になくてはならない“麦”を愛おしむかのような細工物。同じような気持ちが世界中にあるとすれば、日々の生活をいとおしむ、楽しむ、大切にする、そして自然の恵みに感謝する気持ちも共通なのにちがいありません。
ドイツのクリスマスツリー。麦わら細工のオーナメント
飾りのいろいろ
フランスの麦わら細工
大地に根ざした人々の生き方に思いを馳せつつ、師走ですが、郷土博物館でゆったりとした時間をお過ごしになることをお勧めいたします。
そしてクリスマスに、世界の平和を祈ります。