社会的養護のもとに暮らす子どもたちによりそって ――こども笑顔ミーティングご報告

5月13日、キッズな大森にて「こども笑顔ミーティング」が開催されました。
講師はイチゴイニシアチブの市ケ坪さゆりさん。


 
 

 

 

 

 

 

講師の市ケ坪さん

 
 
イチゴイニシアチブは、児童養護施設に七五三や成人式のお祝いをプレゼントに行っているカメラマンや美容師などの専門家集団です。着物の着付けをして写真を撮って、美しいポートレートをプレゼントするのです。

 

なぜ「いちご」をトレードマークにしたか・・・
一期一会(いちごいちえ)という言葉から。だれでも“生まれたこと”を手放さないでほしい。だから“生きること”を祝福する。
なぜ残酷な事件が起こるのだろう?社会からスポイルされると社会に恨みを抱くのか?連鎖を止めたい、虐待をなくしたい、その一心でとりくんできた活動です。

 

・成人式のお祝いに振袖を

天涯孤独。親権は放棄され、障害をもっている。ゴルフキャデイー。18歳で退所した彼女を施設職員たちは心配していた。成人式のお祝いをするから施設にもどっていらっしゃい、と言えるのはよいチャンス。市ケ坪さんが呉服屋さんで借りた振袖。メイクをしてもらいながら、ヘアメイクの人に「唇がきれいだね」とほめられ、「唇の形を褒められたことなんてなかった。」と喜ぶ彼女。

 

 

 

 

 

 

 

成人式に振袖を着ました

 

・「学び」は大事。本物に触れる機会をプレゼント

学習の意欲につながる経験を
→漫画家さんとのワークショップ→セラピー効果も
→コーヒーの淹れ方、ワークショップ
→カメラワークショップ。一日好きなものを撮影してみる→展示会(プロの展示家による)

 

・3月卒園お祝い

実親と写真を撮る機会を設けた。8組。
→親にとっては施設まで来るのもハードル、髪を洗っていない、など。
→それでも全員の親が来てくれた
→親との慣れない関係で子どもが泣く、暴れる

 

・ヨガの開催、その収益を活動費に

ヨガの先生の協力。「応えは内(なか)にある」呼吸の大切さ。2時間中1時間は呼吸

 

・自立支援コーディネーターが退所者に会いにいくときの手土産に。化粧品のサンプル

少しでも気持ちが和むように。

 

・行政措置が行き届いていない子たちがまだまだたくさんいる

 

・態度が悪い7歳の女の子。机に脚を乗せる

→市ケ坪さんを試す行為
→七五三のお祝い時に母親がきた。子どもは嬉しくて手を引いて席まで連れて行った。

 

 

 

 

 

 

 

七五三の子どもたち

 

・色んな事情を抱えている家庭

→交通費がなくて来ることのできない親
→菓子折りを準備できないことを気にして施設に来ることのできない親

 

・7年前たった一人ではじめた活動から

→思いついたことからスタート!自分のお小遣いの範囲でできることを!
→つぶやくとだれかが支えてくれる。自分の気持ちを貫けばいい。
→御用聞きになることを目指している。施設のニーズと寄付する側のニーズ。マッチング。
“センス ファンド プロジェクト” 才能を投資、明日への投資。立ち続けること。
何をすればよいかわからないとき、まず活動している人を応援すればいい。

 

・母が応援してくれた。「おまえは下へ下へ行け。そうすると根が張るから」

着付けを手伝っている土居さん、「きれいだし、楽しいし、なにより子どもの笑顔が見られることは自分自身にとっての癒しになっている」とのこと。

子どもとおとなであっても上下関係ではなくフィフティフィフティだというメンバーの意識にも感銘を受けました。