家庭訪問型子育て支援・ホームスタート学習会に参加してきました

NPO法人ホームスタート・ジャパン主催の学習会に参加してきました。

 

家庭訪問型子育て支援・ホームスタート学習会

虐待の早期予防と産前からの切れ目ない支援の充実にむけて

子育て世帯包括支援と住民による家庭訪問支援 実践報告会

9月20日(木)10時~ 西東京市民会館

 

児童虐待は増加の一途、育児不安や行き詰まりが極限状態になればだれにとっても起こる可能性があるにちがいありません。行政の支援の隙間を埋める「ホームスタート」は親の心の安定に寄与しながら地域の子育て力を底上げする仕組みです。研修を受けた地域の子育て経験者が、週に1回2時間程度訪問し、親の気持ちを受け止めて聴き、いっしょに家事や育児をする家庭訪問型子育て支援ボランティア活動、「ホームスタート」はイギリスから始まり、世界22か国、日本でも90以上の地域で始まっています。今日の講座はなぜ「ホームスタート」が必要か、日本の子育ての現状から学ぶ内容でした。

 

 

 

 

 

 

 

ホームスタートの効果

 

 

基調講演に続いて、和光市NPO法人「わこう子育てネットワーク」代表理事の森田圭子さんと清瀬市NPO法人「子育てネットワーク・ピッコロ」理事長の小俣みどりさんから現場の報告がありました。

 

 

 

 

 

 

 

NPO法人「わこう子育てネットワーク」代表理事 森田圭子さん

 

 

ホームスタートの特徴である、無料、支援者は先輩ママであり専門家でないこと、伴走型で、互助的な支援であることで優しいまちづくりにつながることを感じました。課題の深刻化を防ぎ、必要があれば専門家につなぐ中間的な支援にもなります。母子保健に力を入れ、「わこう版ネウボラ」事業を展開している和光市は、ホームスタートも平成22年から始めています。合計特殊出生率を年々上げてきており、平成27年度は1.42でした。ちなみに大田区は平成28年が1.18で27年より0.3ポイント落としています。参考にすべきことがたくさんありそうです。

 

 

 

 

 

 

 

NPO法人「子育てネット・ピッコロ」理事長 小俣みどりさん

 

 

基調講演

「産前からの切れ目ない支援の充実のために」

国立看護大学校 看護学部准教授 渡邊香さん

 

国立看護大学校 看護学部准教授 渡邊香さん

 

 

母子保健はすべての子どもが健やかに成長していくための健康づくりの出発点

子育て環境 今昔
・初産年齢    昭和中期24.4歳  現在31.1歳
・合計特殊出生率 昭和中期2.37  現在1.43
・情報源     昭和中期 親族・友人・病院等 現在 インターネット・友人
・共働き割合   昭和中期15.0%  現在 23.6%

現代の子育て環境と問題点
・長期的な少子化・核家族化、子育てを身近に見てきていない、親族からの子育て支援の脆弱化
・人間関係希薄・インターネットによる情報氾濫、地域の子育て支援の脆弱化
⇒育児不安・子ども虐待の増加

育児不安や子ども虐待の防止(母子の支援)に必要なもの
⇒母子の安定
そのためには行政支援・地域の見守り・家族の支援・ピア・サポート・専門家の支援

 

 

 

 

 

 

 

母子支援に必要なもの

 

出産・育児のもつ意義
・母親や父親の自己実現や満足のためだけのものではない
・社会を発展させる大きな原動力の一つ
⇒社会全体で支え、取り組む意義が大きい

愛着形成の重要性
母親と子どもの情緒的結びつき・絆の形成は子育てで最も重要

愛着障害の問題点
幼少期に虐待やネグレクト等の原因で、養育者との愛情ある関わりがなされずにいると、安定した愛着が築かれない。
⇒衝動性や怒りのコントロールができない、他人に無関心⇒虐待の連鎖

親から子に伝えるべき大切なこと
「私はあなたに出会えて幸せ。あなたはこの世にいるだけで、十分な価値がある大切な存在」

母親が充足されていることが大切
母親が満たされていないと、子どもに愛情を注ぐことができない。

母親を支える支援者のかかわり
・母親を認める。完璧な子育てなど存在しないことを伝える。
・夫には、出産による妻の肉体的・精神的変化を知り、妻の話をよく聴く重要性を伝える。

産前産後の特徴
・妊娠初期は、急激なホルモン変化により、吐き気や倦怠感等、つわりがある。
・循環血液量が1.5倍になり、心拍数は2割増し、心臓の負荷が増し、不整脈が表れることがある。
・妊娠経過や分娩への不安を抱く。

出産の大変さ
・痛さは麻酔なしで、手指を切断とほぼ同等。
・体力の損失はトライアスロンと同等。

産後の特徴
・身体の回復に6~8週間かかる。
・産後1年程度は、授乳やおむつ交換で夜間1~5回30分程度起きなければならない。そのため、常に睡眠不足で、日中の休養が必要。
・母乳育児をしている場合、約350kcal程度(ごはん1.5膳分)多めに摂取しなければならないほど、エネルギーを消耗する。

 


和光市の訪問型の母子支援

・こんにちは赤ちゃん全戸訪問
・ファミリー・サポート事業 ・養育支援訪問事業
・ゆめあいサービス(埼玉県地域支え合い推進事業補助事業)
・ホームスタート
 

 

 

 

 

 

 

西東京市民会館にて