大田区議会中間報告【2】「大田区マタニティパス条例」について

健康福祉委員会での審議-1

(大田区議会2018年第4回定例会11月28日~12月7日)

議会に提出された議案や陳情はまず、委員会での審議を経て、それから本会議にかかります。私は「健康福祉委員会」に所属していますので、12月3日、「健康福祉委員会」への付託議案や陳情が審査されましたが、その中のいくつかについて、大田・生活者ネットワークの意見をご紹介いたします。この陳情は、採決の結果、否決されましたが、最終的な採決は12月7日の本会議にて行われます。ぜひ議会の傍聴を!

 

議員提出第14号議案「大田区マタニティパス条例」について

この条例は、母子手帳交付の際に、妊婦健診の他、外出を支援するために公共交通に使える、6千円相当のパス(PASMO)を交付するというものであり、賛成の立場から討論いたします。

大田区の合計特殊出生率は2016年は1.18で23区中16位です。厚生省の人口動態統計によると2016年は1.44なので全国平均よりもかなり低いことがわかります。合計特殊出生率は一人の女性が一生のうちに出産する子どもの予測数ですが、1975年に2.0を下回ってから下がり続けていますが、人口を維持できる水準が2.07なので人口減少には歯止めが効かない状況といえるでしょう。国民が望んだ結果ならよいのですが、本当は子どもが欲しいのに経済的に厳しくて子どもを産めない、育てられない、一人がやっと、という人が少なくないという調査結果もあります。

赤ちゃんの泣き声がうるさいといわれたり、ベビーカーを押していて、改札を通るのが遅くなったら、後ろの人に舌打ちをされたとか、初めての育児の不安に加えて、社会の冷たさに傷つけば、次の子どもを産む意欲を失いかねません。

出生率を上げることに成功したフランスは、子どもが多ければ多いほど税金が軽減され、サービスが増えるそうで、出産を祝福するという、国としてのメッセージを受けとれる施策といえます。人口減少に歯止めをかけるということは国力としての生産性、経済性にも直接関わってくる政策ともいえます。残念ながら、日本はまだ有効な手段をとれずに、出生率はどんどん下がり続けています。せめて大田区は祝福のメッセージをどんどん出そうではないですか。

マタニティパスというネーミングもとてもよいと考えます。ただ大田区は産む場所が少なく、遠くの産院まで検診に行く人もあるので、6千円では足りないと考えられますが、今後は増額も視野に、運動が大事な時期でもありますので、海沿いの公園の散歩を進めるなど、区内の散歩コースを案内しながらプレゼントするのはいかがでしょう。もちろんこれは一つの試みであり、妊婦さんからの意見を聞きながら、今後さらに、効果的な産前産後の支援策を打ち出していくべきです。
 

 

 

 

 

 

*写真はイメージです