住居は大事、でも住居だけでは人は生きられない。伴走型居住支援とは
住まいの確保と暮らしを支える地域づくり
⇒居住支援の決め手は? 物件を持っている不動産業者が動き出せる状況をどう作るかが鍵!?の記事の続きです。
(認定)特定非営利活動法人生活困窮・ホームレス自立支援
ガンバの会理事長 副田一朗さん
★ガンバの会とは
元牧師の副田さんは、教会の周りで野宿する人を礼拝のために排除することに疑問を持ち、ホームレス支援に。以後30年、路上生活者、ネットカフェ難民、住み込み従事者、DV被害者等の相談及び支援を行っている。
★シェルター(緊急一時宿泊所)の必要性
定員15名のシェルターを確保(2008年)
年間50から60人の人が利用、利用期間平均43日。
生活保護や自費(年金)で居宅、住込み就労などで次のステップへ
★居住支援を必要とする人
ホームレス、ネットカフェ難民、障がい者、高齢者、DV被害者、家賃滞納者、低所得者、無職者、虐待を受けてきた人→社会的孤立が課題
・無料低額宿泊所(貧困ビジネスの危険性)に対して
憲法22条「居住選択の自由」を大切にしたい
→入居契約資金を無利子で貸付、アパート借り上げ運営
★住居とは
・自由に水光熱が使えること→健康への第1歩
・安全なプライベート空間→襲撃を受けない安全性
・住民票の設定ができる→身分証明、銀行口座が開設できる、就職を見つけられる(社会保障を受けられる)
・地域との関わりの起点→町内会等
★人間関係の貧困問題
「ハウスレス」と「ホームレス」はちがう
建物の家がない(ハウスレス)だけではなく、家庭、故郷、戻る場所、人間関係、相談できる相手を持っていない人が多い(ホームレス)
→今後、ますますホームレスが増えることが予想される日本社会
居住支援は両方にコミットする(伴走型の支援)
★居住支援とは
入居住宅の確保・安心安定の確保・社会関係の確保・孤立、孤独の解消・生活支援サービスの確保・社会的役割の確保
人にとって、自己有用感は大事→ガンバの会は、無期支援。葬儀も墓も用意。
人との関わり、信頼関係を築ける社会をめざす。「ありがとう」をいえる社会へ。
ガンバの会 副田さん
非正規で働く人の多い昨今、ケガをして働けなくなったり、人間関係でつまづいたりして、復職ができなければ、すぐにホームレスになる可能性がある。また発達障害や知的障害者がホームレスに多いということはそこに至るまでの時点で支援が足りなかったと言えるのではないか。年金制度や国保料の高騰など、社会保障の問題に加えて人間関係の希薄さは問題をさらに大きくしている。社会のひずみと制度のはざまで困難を抱える人に寄り添うガンバの会の活動には、多くの気付きを与えられ、地域福祉はこの現実から学ばないとならないと感じた。