「種子法廃止」のゆくえ OTA未来カフェのご報告

「たねと食@カフェ」
~たねや食の問題点を考えよう~

たねと食とひと@フォーラム・事務局長 西分千秋さん

2019年1月19日(土)

大田・生活者ネットワーク事務所にて

 

「種子法廃止」のゆくえを追って、国会を傍聴し、自治体にアンケート調査を行い、私たちの暮らしにどのような影響があるのか、考える材料を提供してくださった「たねと食とひと@フォーラム」。経済優先、企業優遇の今の政治の流れの中で、守られるべきものが守られなくなってきてはいないか・・・、東京に住む私たちの身の回りには農地がないので、うっかりこの問題を見過ごしてしまいそうですが、私たちの「生きること」に直結している作物と「種」、そして「農業」には、常に注目していかなくてはならないことを学びました。「種」がなくなれば、食べていけないのですから。

 

 

 

 

 

 

講師の西分さん

 

主要農産物種子法廃止(2017年4月成立)←規制改革推進会議

突然の提案で議論なく廃止

種子法:1952年制定。稲、麦、大豆の種子について、都道府県は優良な品種(奨励品種)を決定するための試験や原種の生産の義務を負う。国の責任で種を生産、国の事業として都道府県に委託をしているという形が定着普及していた。各地域に根差した全国444種の品種は限られた遺伝的多様性を開発、育成してきたもの。
種子法廃止ということは国がその責任を放棄したということ。安定的な種子生産供給体制が弱体化。
→公的補助制度が取り払われる、予算がつかなくなる

 

種子法廃止の理由

農業の競争力強化、民間事業者の技術開発の促進。
農業試験場など公的機関の知見、技術を民間に提供してほしい。

政府は、種子法が民間事業を阻害していたというが・・・そんなことはない!
(すでに民間の「三井化学アグロ(株)」は、“みつひかり”F1を開発、吉野家へ)

 

食料主権は

地域独自の種子が育成されて、だれもが自由に種子を交換できることで多様性が保たれてきている。何を食べたいか、農家は何を作りたいのか、自分で選んで決めていく権利があるはず。規制緩和という一時の経済的な動きで長い技術の蓄積を失うことにはならないか。種がなくなれば、食料がなくなるということ。他人事ではない。

 

自治体の意志は? 条例づくり・国への意見書

全都道府県へのアンケート調査「公的種子事業をどうしていくか」には100%の回答。
→全体的には、県としての責任を継続して果たしていくという意志を確認

新潟、兵庫、埼玉は条例制定・・「主要農産物の生産力を維持・増進していくには、優良な種子の生産と安定供給が不可欠であり、県が体制を維持し続ける」

 

遺伝子組み換え・ゲノム編集

日本企業も研究している。危険はないのか。

→予防原理に立ち返るべき

 

 

 

 

 

 

 

熱心に聞き入り、質問も活発にでました