介護予防は重症化を防ぐために重要。新総合事業に予算を多く!

「介護予防事業を卒業した要支援1,2の人のケアを求める陳情」

 
現在、2019年大田区議会第1回定例会が行われています。これは私の所属する「健康福祉委員会」に付託された陳情です。

介護保険が改正になって、要支援の人が、それまで「デイサービス」に通っていたのに「卒業」と言われる。一般介護予防事業を紹介されても・・・これまでの方がよかった、サービスの内容が変わってしまった、なぜ、こうなるのかわからない・・など、利用者には納得できないし、理解できないことも少なくない。そんな中で出された陳情でここ数回、同様の陳情が出ている。要望はもっともなので、大田・生活者ネットワークは陳情に賛成。要支援相当の人の実態把握と調査、サービス創出が必要だと討論した。
それにしても国は要介護1,2までも介護保険サービスの枠外にする検討をしているという。消費税は社会保障のためだったはずだが・・・
この陳情に対する各会派の態度は

賛成:共産党、緑の党、フェアな民主主義、大田・生活者ネットワーク
反対:自民党、公明党、国民民主党、たちあがれ・維新・無印の会、無所属の会

 

 

 

 

 

 

*写真は以前の議会でのものです

 

以下、討論全文です。


 

31第19号 「介護予防事業を卒業した要支援1,2の人のケアを求める陳情」の採択を希望します。

この陳情者は新総合事業の予算を増やして、一般介護予防の内容を充実させることで高齢者の地域生活を守ることを要望しています。
 
2015年の介護保険法の改正で、要支援1・2の判定を受けた人が利用できる介護予防・生活支援サービス事業のうち、「介護予防訪問介護」・「介護予防通所介護」の2つのサービスが国の介護保険のサービスから外れ、自治体の地域支援事業(新総合事業)へと移行することになり、大田区では昨年1月から本格実施となりました。
 
「要支援」という考え方ですが、改正前は“支援を受けながら自立的な生活を維持していく”ことが目的でしたが、改正後は“自立した日常生活が営める心身の状態にもどすためのサポートを行うこと”に目的が替わってきています。
 
それに伴い、介護予防・生活支援サービス事業のうち、訪問型も通所型も利用できる期間が原則最長1年となり、平成29年11月に開催された大田区介護予防日常生活支援新総合事業指定事業者説明会資料では、利用者、提供者、プラン作成者による中間評価会議では「達成度を確認、卒業に向けた見通しを行う」とあります。つまり事業者は「1年で卒業させる」という意識で望み、利用者は1年で卒業させられる、ということがこの陳情にあるように実態です。
 
もちろん人によっては、自立した生活にもどれる人もいるかもしれませんが、多くの高齢者はデイサービスのおかげで生活を維持できたという人も少なくありません。迎えがなければ限られた一般介護予防事業の開催場所まではいけない人も多いのではないでしょうか。フレイル予防は重症化を防ぐために大変重要です。まだまだ多様なサービスで地域づくりを進めていく過程ではあることでしょうが、要支援1,2にあたる軽度者の実態把握と足りないサービスの調査と創設に予算をつけるべきと考え、この陳情の採択を希望いたします。

【参考】
フレイルとは(健康長寿ネット)