こんな時代があった:映画『この世界の片隅に』~すずさんのおうち展 昭和のくらし博物館特別展

昭和のくらし博物館

特別展 映画「この世界の片隅に」~すずさんのおうち展

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昭和のくらし博物館

 

 

特別展「この世界の片隅に」~すずさんのおうち展 (2019年5月6日まで)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポスター

 

この特別展では、戦時下、広島・呉に18歳で嫁いだ“すずさん”の日常を丹念に描いた映画「この世界の片隅に」の舞台が再現されています。たとえば、茶の間にはちゃぶ台があり、戦時中の食糧事情がわかるレプリカの献立が並んでいます。タンポポまで食材にしていました。隣の座敷には“すずさん”や“すずさん”の嫁ぎ先、北条家の人々の着ていた服、軍服や国民服、もんぺ、すずさんの晴れ着(うす橙色の地に椿)などのモデルにされたものが展示されています。

 

 

 

 

 

 

 

主人公・浦野すずが嫁いだ北条家の模型

 

2階は“すずさん”の暮らしの場面の複製原画と作画の参考にされた小道具などが展示されていて、この映画がいかに丁寧に作られているかがわかります。

 

 

 

 

 

 

 

当時流行っていた帽子・モガ

 

玄関わきには北条家の土間が再現されていて、釜土がしつらえられています。

 

 

 

 

 

 

 

かまどの前で

 

 

企画展

「山口さんちの子ども部屋」
本館2階には、昭和30年代、山口家の姉妹が遊んだままごと道具が丁寧に展示されています。お人形をまるで友だちのようにして、ままごと遊びをしていた様子が子どもの日記によって克明にわかる展示ですが、お人形の洋服や布団を作るなかで、裁縫や編み物をおぼえたであろうことなど、生活の中の技が自然と受け継がれていく様子も伺えました。何より子どもが子ども時代を存分に過ごすことができたこと、子どもの想像力が大事に育まれた環境がまだあったということが心に深く刻まれました。漫画家の高野文子さんの監修による展示だそうです。

 

「楽しき哀しき昭和の子ども」
貧しさや戦争が、多くの子どもの命を奪った時代でした。栄養を摂ることができなかったり、医療にたどりつけなかったり・・・子どもが無事に成長できることが当たり前ではなかった時代とは、どういう時代であったかをたどることのできる展示です。

 


激動の昭和といわれますが、どんな時も家庭があって、地域があって、暮らしがありました。この博物館が示してくれる「暮らし」を見つめることで普通の人々が何を大事にして生きているのか、社会の流れがその生活にどのような影響を及ぼしていくのか、しみじみと考えさせられ、昭和のくらし博物館の大きな意義をまた感じるひとときでした。

 

 

 

 

 

 

 

門の外から全景

 

#この世界の片隅に