選挙管理委員の仕事って? OTA未来カフェの報告
7月18日、OTA未来カフェでは、大田区選挙管理委員の岡崎幸夫さんからお話を伺いました。
要約してご報告します。
- 選挙管理委員の仕事って?
https://www.city.ota.tokyo.jp/senkyo_kansa/senkyo/sennkyokanriiinkai1.html
選挙が正しく行われるように管理する(投票・開票事務他)ことや、選挙に関する啓発などです。月に2回の定例会、学校での選挙体験教室、イベントでのブース、全国規模の研修会や情報交換にも参加します。報酬は月20万円ほどです。
- どうやって選挙管理委員になるの?
区議会議員による選挙で選ばれます。大田区の選挙管理委員は4人、任期は4年、区議会議員経験者が多い。
- 選挙の歴史
日本で初めて普通選挙による議会政治を提案したのは、江戸時代末期、勝海舟の元で学んだ赤松小三郎(1831~1867年)でした。(慶応3年(1867年)前福井藩主・松平春嶽、薩摩藩の島津久光に建白書を提出)
しかし「選挙」が実現するのは明治22年(1889年)で、それでもまだ25歳以上の男性で国税を15円以上納めている人だけの制限選挙(人口の約1%)。
やっと男女平等の普通選挙が実現したのは1945年(昭和20年)。それから2015年(平成27年)には投票年齢が20歳から18歳に引下げられました。
先人たちの努力があって、封建国家から民主主義国家へ、そして民主主義の要となる選挙制度も整えられてきたのです。
- 投票率の推移・状況
・衆議院議員選挙の投票率の推移
・年齢別の投票率の状況(平成29年・2017年)
- 参加者による意見交換
・聴覚障害者にとっては、候補者の隣に手話通訳者が必要。しかし候補者にとっては公費で手話通訳者を雇うことができないので、法改正をめざしている。
・インターネットでの選挙活動が解禁されSNSは認められるが、メールやFAXは認められない。これも聴覚障害者にとっては不便。
・余計なことを少しでも書いてしまうと無効票になってしまうことを知った。もっと投票所でアナウンスしてほしい。
・投票所ではタブレットによる投票にすれば、無効票がでないですむ。もっとITを活用するべき。
・若い人が投票に行かないのは行く理由がない(必要性を感じない?)から。
・要介護5の人は郵便での投票が認められるが、他にも歩いて投票所に行くのが大変な人はいる。郵送投票をもっと柔軟にしてほしい。
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インターネット投票などが議論されているということですが、障がいがあっても、高齢になっても平等に選挙に参加できる環境作りは重要な課題です。また投票率の低迷や若い人の投票率が低いことなども大きな課題であり、選挙管理委員の仕事の重要性をあらためて考えさせられました。