エコメッセ大田10周年企画環境講演会 映像とお話で聞く「福島原発事故から10年の現状」
7日、環境まちづくりNPOエコメッセ大田「元気力発電所」下丸子店の
https://ecomesse.jp/shop-info/shimomaruko/
10周年記念企画でDVD鑑賞とお話し会がありました。
エコメッセ
は自然エネルギーを推進することで循環型の社会をめざしている団体であり、エコメッセ大田の設立年には東日本大震災3.11があり、脱原発を深く願いながらの出発となりました。
DVD「終わりのない原子力災害―3.11東日本大震災から10年」の後には、(認定NPO法人)国際環境NGO FoE Japan
事務局長 満田夏花さんのお話を聞く会を持ったので、概要を報告いたします。
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原発事故では被爆を避けるために16万人が避難を強いられた。今は4万人(うち県外が3万人)。多くの人がコミュニティや家族の分断を経験し、家や仕事を失い、生活を奪われた。2017年、避難指示のあった南相馬市、浪江町、飯館村などの避難指示が解除される。しかし本来、被曝限度線量は年間1ミリシーベルトとされているのに、20ミリシーベルトを下回ればよいと緩和、除染の済んでいない山林があっても解除できるなど、国のめざすところは“原発事故を見えなくすること”だ。解除反対の声を挙げる市民の声は無視され、賠償も打ち切られる。多くの人が戻るに戻れず、居住率は3割に満たない。離婚した世帯も多い。避難先での非正規労働、コロナ禍も加わって、生活の困窮を極めている。
広範囲での土壌汚染の深刻さが裁判で明らかになった。山の恵みと共に生きていた人々だが、自生のキノコはこの先、300年は食べられないという。
今またトリチウムを含む汚染水の海洋放出、汚染土の農地としての再利用計画など、第1次産業への打撃は計り知れない。
しかし未だにエネルギー基本計画において、原発を重要なベースロード電源と位置づけ、電源構成の20~22%を原発にするという現政権。これは全ての原発を再稼働させて新設することを意味するのだから、ありえない。
一度事故が起きると賠償や廃炉作業は、国の試算で21.5兆円、民間の試算で81兆円のコストが係るという。ドイツがそうしたように原発推進の流れを全力で止めるべきだ。
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甚大な原発事故から10年、私たちは福島のことを忘れてはいないでしょうか。“復興”というかけ声だけが一人歩きして、被害者切り捨てにはなっていないでしょうか。
私たちは福島原発事故後に真摯に向き合い、人権侵害については共に闘い、生活保障を求め、そして日本のエネルギー政策の行方について、私たちの未来について意見をいい続ける必要があります。
共有したDVDは、福島の人々へのインタビューが編集されたものでした。「絆」と「復興」という言葉が一番聞きたくない言葉だという人がありました。確かに、生活の土台を根こそぎ壊され、今も苦しみが続くのですから。
「見えなくしようとする」流れに共に抵抗していきたいと思います。
FoE Japanの「ふくしまミエルカ」プロジェクト