中高生の居場所 決算特別委員会での質問 ②

2012年10月5日 09時19分 | カテゴリー: 子ども, 議会報告

★気軽にスポーツできる場所、もっと必要

平成23年度に市民団体が、区内の中学校の協力で「子どもの遊び場アンケート」を実施、中学生600名から意見を得ました。「遊び場について思うこと」の自由記述欄には、男女とも、「ボール遊びのできる場所」「野球場やサッカー場、テニスコートなど、スポーツ専用の場所がほしい」という要望が圧倒的でした。中には、「せめてキャッチボールのできる空間がほしい」とか「ボール遊びがだめとかって、じゃあ、どうやって、何して遊べばいいんですか?」と逆に質問も書かれていました。 

キャッチボールくらいはできる細長いスペースやバスケのシュート台、テニスボールを打ちつける壁など、広いスペースでなくても一人でふらっと来ても遊べる場所を街中に作ることも必要だと考えます。 

部活に入っていない中高生がちょっと体を動かしたり、運動するところはあるでしょうか。

 小中学校の体育館を借りる場合、団体登録をして、日程調整の会議に出席するか、あるいは副校長先生の調整をいただくかしなければならず、しかも未成年者は、成人の付き添いが必要です。 

他の施設もたとえば「うぐいすネット」で借りるようなところは、16歳以上が要件になっていますし、「うぐいすネット」以外のところでは、学生が行けない平日の午前中に、その施設に抽選に出向く必要がある、という具合です。区内の公共のスポーツ施設はどこも中高生が遊ぶことは難しい状況です。 

一方で、児童館以外にも、既存の施設をうまく中高生が利用できるようにするのも一つの方法だと思います。文化センターや池上会館、多摩川園のラケットクラブなどがもっと利用されてもよいのではないかと考えます。今のところ、あまり利用されていないところをみると中高生にとっては、使い勝手が悪いのかもしれません。 

★全ての地域に「子ども交流センター」の機能を

こらぼ大森は、10~15年で見直しをするという計画で平成16年、小学校の統廃合によってできた施設です。

こらぼ大森、子ども交流センターの現状をみれば、地域にとって必要な施設であることは明らかで、こうした機能は継続すべきと考えますが、区の方針からいえば、今後どうなっていくのかは確定していません。

また、子ども交流センターのように中高生が気軽に集まることのできる場所は、大森西地域だけではなく、他の地域にも必要であると考えます。

そうした意味では、特定の施設を中高生の居場所として位置づけるのではなく、地域の小中学校や児童館、出張所など区の施設がもっと中高生にとって使いやすい施設になっていくべきと考えます。 

全ての地域に「子ども交流センター」のような機能を盛り込む必要があると考えますが、いかがですか。 

これからの児童館や公園など施設作りやそのあり方について二つの事例を紹介してから、お聞きいたします。 

★杉並区立児童青少年センター「ゆう杉並」

杉並区の中高生の居場所、杉並区立児童青少年センター「ゆう杉並」は、16年前、区の公募で集まった中高生43人が、「中高生建設委員会」を作り、建設予定地の見学から始まって、職員たちと半年間の会議をもって議論し、要望書を作り、中高生の希望を可能な限り取り入れて完成した施設です。今でも中高生運営委員会が毎月一回開かれ、職員企画の事業と並んで、中高生の発想による自主企画も実施するなど、自分たちで創りあげていく施設運営となっています。施設の機能は、音楽スタジオ3部屋、ミキシングルーム、学習コーナー、鑑賞コーナー、集会室、ホール(ステージ)、体育館、工芸調理室、印刷室などで、延床面積は2,895㎡です。 

川崎市こども夢パーク

一方、川崎市高津の「こども夢パーク」という複合型の公園施設は、その広場には、既成の遊具はなく、手作りのウオータースライダーがあり、子どもたちは広い滑り台をすべって、プールに落ちる、という遊びをしたり、ドラム缶の五右衛門風呂に、子どもたちが自分で割った薪をくべ、交替で湯につかったり、一方、どろんこ・穴掘り、水遊びが存分にできるスペースでは全身どろだらけになる小学生や乳幼児、工具を使って木工をする子どもを見守る大人、木登りをする子ども、こま回しを教えてくれる高齢者がいて、子どもたちが取り囲む場面も。いろいろな世代の人が入り混じって、関わり合いながら、それぞれに楽しめる公園です。この公園の特徴は、子どもたちを見守るプレーリーダーや地域のボランティアがいること、そして子どもがやりたいことを実現できるとういうところです。“危ないことはさせない、という危険回避の視点だけでは、子どもは打たれ弱くなってしまう”、“安心して挑戦したり、失敗もできる環境が必要”というような理念で運営されている冒険遊び場です。

広場の隅には、畑と建物。建物は子どもたちの活動拠点として、公園の運営に参画するための「子ども運営委員会」がもたれる集会室や、交流スペース、音楽スタジオ、また不登校児童の居場所として、いっしょに勉強したり、お昼を作って食べるスペースがあります。年間来場者が8万人を超える人気の施設です。 

ここには、不登校の子ども、発達障害児、さまざまな障がいを持っている大人も子どもも、高齢者、乳幼児の親子、町会・自治会の協力など、様々な人が集い、支えあいながら、遊びが展開されています。そしてこの中で、イベントを企画するなど、公園の運営に参画する中高生たちがいます。 

話を伺ったところ運営に当事者が入ることで、子どもたちのモチベーションが俄然あがるとのことでした。「当事者参加」の意義・重要性を感じます。 

★街づくり・施設整備に当事者参画を

さて、大田区は、今後2030年までに区が整備する緑地・公園を10ヘクタール、増やす計画だと聞きました。それら全部を整備していくには、莫大な費用がかかります。大田区の施設整備計画が既に破綻していることを生活者ネットワークが指摘させていただいています。

これまでのように、都市計画公園として遊具を置き人工的に整備するのではなく、経費の面からも、また、子どもたちが生き生きと遊べるようにするためにも、昔の原っぱのような公園、あるいは、冒険遊び場のような、地域で育む、地域の広場があってもいいのではないでしょうか。どうお考えですか? 

中高生は、遊ぶ主体でもありますが、「どんな遊び場が必要か」を主体的に考え、提案できる年代でもあると思います。子どもの視点に立つ街づくり、施設整備が必要だと考えます。 

当時者の意見を聞くことは大切で、各種審議会等会議メンバーに公募区民をいれるようになり、大田区でもパブリックコメントも行うようになりました。次は、区政に様々な立場、年代の区民の声を反映させる段階に来ていると考えます。男性も女性も、障がいのある人も無い人も、そして、年齢層においてもです。

 杉並区が中高生を公募して、青少年センター「ゆう杉並」を立ち上げたように、また川崎市で、公園作りの構想から企画・運営に子どもの参画があったように・大田区でも公園・広場・地域開放スペース、あるいは、既存の施設の機能見直しやリニューアルに際して区民の中に当事者である中高生も含めて公募をし、意見を聞くことはできないでしょうか 

さまざまな人と出会うことのなかでこそ、子どもは成長します。中高生の求めるものにも目を向けながら、世代で分断されない包括的な施設、地域のコミュニティーにもなりうる施設がこれからは必要だと考えます。その中で多感な時期の中高生が、達成感や自己肯定感を育み、大人への入口に際し、夢を抱けるようであってほしいと願います。大田区の将来にも大いに関わることです。 

これで、質問を終わらせていただきます。