「ゴミから考える これからの街づくり」 政治塾のご報告と次回のお知らせ

1月25日は、「ゴミから考える これからの街づくり」というテーマで、長年、環境問題に取り組んできた大田・生活者ネットワークのメンバーが、その研究成果(?)を披露してくれました。

【1】アメニティー(快適な住環境)の向上と   ゴミ減量のための戸別収集の提案
大田区は、集積所で数十軒分をまとめて収集する方法をとっていますが、品川区、多摩市、日野市、そして最近台東区では戸別収集に移行しています。
戸別収集のいいところは、自宅前に出すことで、ゴミの分別意識が高まり、ゴミの減量につながること、マナー違反の防止で、結果、街の美観にも関わることでしょうか。以前、ゴミ集積所が自宅の前になっている人にアンケート調査をした結果、ほとんど人が、「ゴミに対して責任を持ってほしい」という理由で、個別収集方式を望んだとのことでした。
大田区では現在、高齢者や障がい者、集積所まで運ぶことが難しい人に対しては、戸別収集をしていますが、全区的な戸別収集への移行を提案します。災害時、収集車が来られなくて、集積所がゴミであふれることを考えたら、衛生上の観点からも、戸別でのゴミ処理、あるいは保管できるような工夫を考えるべきではないでしょうか。(ゴミ処理については、あとのバイオマス発電)

 【2】容器リサイクル法・議会の動き ペットボトルやキャップ、トレイや卵のパックなど、商品を包んでいる「容器包装」はその量が大変多く、収集、運搬、選別保管の経費は自治体にとって、大きな負担です。税負担の公平性、発生抑制へのインセンチィブという意味でも、事業者責任の強化を盛り込んだ「容器包装リサイクル法の改正」は重要だといえますが、改正のための陳情は、現在のところ大田区議会では採択されていません。企業を守る立場なのか、環境を守る立場なのか?

 【3】清掃事業の三層構造について  区・東京23区清掃一部事務組合・  東京エコサービス(株)
23区のゴミは、収集・運搬は各区、自区内処理が原則ですが、清掃工場のない区もあるので、23区共同で中間処理事業を行うために「東京23区清掃一部事務組合」が設立されています。この「東京23区清掃一部事務組合(以後一組」は23区の区長会会長が長(現在、荒川区長)、議会は各区区議会議長が議員となっており、住民不在の24番目の自治体といわれています。
各区は、この一組に分担金として毎年30億円払っていますが、清掃事業のあり方に区民の声が届きにくいこと、決定過程に不透明性があるなど仕組みに問題があるといわれています。
たとえば、サーマルリサイクル導入によって、廃プラ(ゴミにだされたプラスチック)も可燃ごみとして焼却するようになりましたが、その熱エネルギーを電気に替え、23区が出資してできた株式会社「東京エコサービス」が買い、売電するという仕組みになりました。
ゴミが増えて、電気がどんどんできた方がもうかる?なんだかこの流れは、ごみ減量に逆行しているような・・・。

 【4】バイオマス発電の可能性
生ごみをディスポーザーで液状化し、メタンガス化して、発電するというものです。たとえば、集合住宅の地下集積所にその発電装置を設置して、そこで発電までを行い、電気を自己使用ができ、売電も可能にする完結型もあれば、液状化したものを貯留しておいて、パイプラインやタンクローリーでプラントまで運び、そこで発電する方法もあります。
いずれにせよ、生ごみの焼却はなくなり、生ごみのエネルギー資源化という、循環型社会、低酸素社会への貢献、災害時にも収集車を頼らなくても、ゴミ減量になるばかりではなく、完結型のものにすれば、災害時の発電機にもなるわけです。

 【5】大田区の負荷・廃棄物処理施設の集中する   スーパーエコタウン
城南島には民間事業者による産業廃棄物処理・リサイクル施設が集中しています。3000㎡以上の敷地は環境アセス(環境影響評価)が義務づけられていますが、どこもすれすれの面積で、アセスをのがれています。都民の健康を守るために城南島全体の総合環境アセスが必要です。
以上、ゴミ問題は広く深い問題をはらんでいることがよくわかり、とても興味深く聞きました。引き続いて政治塾は、ゴミ・環境問題に取り組みます。第2弾として、生ゴミの資源化の提案を聞きますので、ご関心のある方、ぜひご参加ください。


政治塾 ゴミから考えるこれからの街づくり 第2弾 生ごみは宝物!?
↓詳しくはこちらのチラシをご参照ください。  ※クリックで拡大します。

講師  山代 勁二さん(昔ながらのトマトの勉強会・会長)                 

■日時:2014年2月17日(月)14:00~16:00 ■場所:大田・生活者ネットワーク事務所 ■資料代:300円 (詳しい資料をご希望の方は700円) ■お問い合わせ・お申し込みは    大田・生活者ネットワークまで 
03-6424-7561  03-6424-7562    oota@seikatsusha.net