OTA未来カフェのご報告 地域包括支援センターについて 8月29日

認定NPO法人市民シンクタンクひと・まち社が行った「地域包括支援センターに関する調査2019年度」(都内23区26市を対象)の調査報告を元に工藤春代さんにお話をしていただきました。介護の社会化をめざしてつく作られた介護保険制度は創設から20年がたちました。地域包括支援ケアシステムの構築のため、地域づくりの要である“地域包括支援センター”は誕生してから12年が立ちます。

 

 

今、“地域包括支援センター”がどのような相談を多く受けているのか、どのような機能を果たしているのか、何が課題なのかを知ることは、地域の中で自立生活を支えるためには何が必要かを考える有効な手立てになります。

 

 

調査結果からは地域包括支援センターが多様な相談に対応しており多忙を極めていること、多様な相談に対応できる人材を求めていること、他機関との連携が重要であり、課題であると考えていることなどがわかりました。また認知症高齢者の支援体制、障がいを抱える家族への支援、育児と介護を担うダブルケア、ヤングケアラーへの支援体制の整備などが大きな課題となっています。大田区の特徴としては、保健師、社会福祉士、介護支援専門員という三職種のうち、社会福祉士が多く配置されていることでした。

 

〈調査結果の抜粋〉

  • 暮らしの中であったらいいと思うこと(多い順に)

1.掃除・洗濯等の家事援助

2.ちょこっとサービス

3.移送サービス

4.気軽に参加できる趣味の会

5.話し相手

6.サロンなどの集いの場

7.軽い運動のできる場所

8.一緒に散歩や外食

9.配食

10.見守り

 

  • 増えている相談の内容(多い順に)

1.家族・親族関係

2.虐待・暴力

3.高齢者の介護問題

4.権利擁護

5.経済的な事項

6.介護保険サービス

7.引きこもり

8.医療機関の受診

9.住まい

10.介護予防に関する相談

 

  • 参加者からの意見

・介護従事者の賃金が低い。このままでは離職者も増えるし、人が集らない。人手不足が常態化している。加算よりも単価をあげてほしい。

・地域包括支援センターの場所がどこにあるかわからない。もっと周知をしてほしい。

・これからは成年後見のニーズが増えると思う。受け皿作りが必要。

 

今後についてはこのような学習会を重ね、地域包括支援センターをより身近な機能として捉えながら、安心して暮らしていける地域づくりを共に担っていきたいと思います。