“おせっかいおばさん”がいっぱい、出会いと交流がまちを豊かに
NPO法人 豊島子どもWAKUWAKUネットワークの活動報告
理事長 栗林知絵子さん
プレーパークの活動に関わったことがきっかけで、こども食堂や学習支援など次々、子どもの貧困や居場所の問題に取組んできた栗林さん。“自称・おせっかいおばさん”として奔走。仲間が増えてNPOを設立、地域が創られていく過程から、豊かなまちをつくる鍵は人との出会いと交流にあると教えられました。備忘録を兼ねてお話をまとめました。https://toshimawakuwaku.com/#
●プレーパーク、子どもの置かれた厳しい現実を見る窓
2003年に豊島区がプレーパークを立ち上げ、栗林さんも参画。様々な子どもたちと出会う。見かけではわからないが、「ご飯をたべていない」「車で暮らしていた」「お母さんが殴られてパトカーが来た」「いえで虐待を受けた」などの子どもの厳しい現実に触れる。
2011年、中3の少年「高校に行けないかもしれない」と。母親はシングルマザーで、ダブルワーク。少年が洗濯など家事をし、食事はいつも一人。勉強をする場所も時間もない。だれにも相談できなかった、という。「学習支援」と「こども食堂」の活動のきっかけとなる。
●活動を通して、ニーズを捉える。次の活動が生れる。
プレーパーク→こども食堂→学習支援という活動になるが、次に母親たちには「傾聴」が大事だと捉え、「ホームスタート」を開始。親子げんかをしてもリセットできる場が必要だと、安心して泊まれる場所、「ワクワクホーム」をつくる。担うのは元スクールソーシャルワーカーの人で、伴走型の支援をしていきたいという。里親申請もし、ショートステイを受けられるようにもしている。
●だれ一人とりのこさない
プレーパークは多文化交流、開かれた居場所として重要。現在はWAKUWAKUネットワークが区からの委託を受けて運営。週7日10時から19時まで、雨でも開催。学習支援は外国ルーツの子どももたくさん来る。毎年、大学生の応援で豊かなクリスマス会を開催。(シングルマザーにとって、収入がないのに出費がかさむクリスマスシーズンは辛い)。子ども食堂は月2回、4箇所で開催。独居の女性たちが食事作りに励む。高齢独居の女性が自宅を開放。食事作りにも参加、子どもとのふれあいに充実した高齢期を過ごす。多くの人の出会いと交流がまちを豊かにしている。
●コロナ禍、食事の支援。行政といっしょに「地域みんなで子育てしようね」を確認
・としまランチサポート
学校給食がなくなったため、昼食支援。飲食店に弁当を作ってもらい、学校区に一つある「区民ひろば」で配る。休校でだぶついた牛乳や食品ロスのお菓子も配る。
・ライス!ナイス!プロジェクト
児童扶養手当受給者への食料支援の方法を区から相談され、つながりをつくるために区民ひろばに取りに来てもらうことにする。3回実施、お米と食事券を750世帯に。民生児童委員はじめ、のべ200人のボランティアが関わる。WAKUWAKUネットワークが切り開いてきた活動の土壌が行政の支援に生きる。