蒲田3歳児放置死事例を受けて 孤立を防ぐ切れ目のない子育て支援とは

大田区議会・決算特別委員会「衛生費・母子保健」での質問の報告

6月、大田区蒲田で起きた3歳女児放置死の事例は大変ショッキングなものでした。3歳の子どもが8日間、一人、家で過ごした不安と恐怖、飢餓感を私たちは想像することもできません。私たちのごく近い生活圏で命が失われたことにしっかり向き合い検証すること、どの子育て家庭にも生かすことのできるような「親子をしっかりサポートする、切れ目のない子育て支援」の実践につなげることが私たちの勤めであるとの認識から質問をしました。

まず妊婦面接、両親学級、赤ちゃん訪問、健診の機会を最大限に生かすこと、拡充することを要望しました。たとえば、地区担当保健師と顔の見える信頼関係を築けるように面接時に名刺を渡すことを提案しました。「機関」との結びつきではなく、「人」との結びつきの方が相談のハードルが低くなるのではないでしょうか。また地域の民生児童委員や子ども食堂など地域の子育て支援団体の情報を提供するなど、子育ての孤立化を防ぐために、地域の社会資源の育成と同時に見守りの体制を伝えていくことも効果的です。顔の見える関係作り、暖かな子育て支援が必要です。

 

少し長いですが、当日の映像です。ぜひご覧ください。

 

以下、全文紹介

第3回定例会・決算特別委員会・衛生費  2020年9月29日

  • 蒲田3歳児放置死事例を受けて

6月に蒲田で起きた、3歳の子どもが放置されて亡くなった事例について、この度、大田区は行政のあり方を検証しました。虐待防止に向けて関連部署の連携強化や子育て支援の充実を図るとありますが、今後の、具体的な動きが期待されるところです。報告には虐待防止の監視を強めるだけではなく、親たちの気持ちに寄り添い、sosを受けとめられる、頼れる大田区であってほしいと願います。

報告を元に子育て支援のあり方、特に母子保健施策について質問していきたいと思います。

報告書によると行政との接点は妊娠届と妊婦面接、転入手続き、1歳6ヶ月検診、そして認証保育園に通っていたということだけです。転入手続きの際に母子支援の担当につなぎ、面接を行う自治体もあります。もしそこで他自治体での子どもの養育状況を知ることができたら手がかりがあったかもしれません。また児童育成手当、児童扶養手当の申請時など、行政との接点についても、さらに研究する必要があると考えます。残念だったのは、認証保育園との連携が取れていなかったことです。管轄の違いを超えて、子どもの命を守ることが最優先されるような体制を一刻も早く確立していただきたいと願います。

報告書には「産前産後は、母親にとって生活環境が変わり、体調も不安定で育児不安が強くなりやすい時期である。児童虐待防止のためには、この時期の行政の関わりが非常に重要と考え、子育て支援事業の充実を図る」とあります。

そこで、妊娠届にはじまる産前産後のサポートの拡充にむけて質問いたします。

虐待死が最も多いのが0歳、産後1年半までの産婦の死亡のトップは自殺だということからもこの時期の危うさがわかります。昔から産後の床上げは1ヶ月、といわれたように本来はゆっくり休まなければならない時期ですが、昼夜もない授乳による睡眠不足での疲労、育児不安、閉塞感、ホルモンバランスの崩れからくる精神的な不安定さ、泣き止まない赤ちゃんに自分をコントロールできなくなるなど、虐待リスクの高まる時期です。妊娠時からの温かいサポートが欠かせません。まずは、大田区HPのトップページにぜひ「妊娠がわかったら」あるいは「妊娠・子育て」というわかりやすい案内を置くことを要望します。現状は、初めての妊娠でどうしたらよいかわからない人がHPで探しても必要な手続きのところにはなかなかたどり着きません。

さて、大田区は妊娠届の際の妊婦面接をとても丁寧に行っています。この妊婦面接が行政とのファーストコンタクトであり、保健師との話を通して、安心感を得、困ったときにはすぐに相談できる信頼感を抱くものであってほしいと願います。

しかし、現在、妊娠届は4つの地域健康課の他、本庁舎と18出張所に出すことが出来ますが、そのまま面接ができるのは4つの地域健康課と本庁舎だけです。18出張所では面接ができないので、別に面接の申し込みをしなければならず、結果、面接を受ける率が少ないのが現状です。またこの時にパートナーの同伴があれば、出産までのサポートを促す機会にもするとよいと考えます。

 

  1. お聞きします。妊婦面接は行政の支援のスタートであり、家族のサポート体制など妊婦のリスクを掴む重要な機会でもあります。面接を全ての妊婦が受けるように4つの地域健康課と本庁舎と馬込地区にも一つ場所を設置すること、パートナーも一緒に参加しやすいように土曜日の開催日を増やせることを要望します。またこのときに地区担当保健師の名前を母子手帳に書いて渡すなどして、心配なことがあったらすぐに相談できるように顔の見える関係をぜひ築いていただきたいと思います。同時に地域の民生児童委員のリスト、子ども食堂など地域の子育て支援団体の情報を渡し、地域にも心強い応援団がいることを知らせていただきたいと思いますが、いかがですか。

 

答弁(荒浪明子・健康政策部・健康政策部副参事・地域保健担当)

妊婦面接は、区が妊娠から出産、子育て期まで切れ目なく継続した支援をするための、最初の接触の場として、大変重要な機会と捉えています。令和元年度の実施率は84.1%ですが、特  別出張所へ妊娠届を出された方の面接率の向上が課題となっております。

 妊娠・出産期の支援は、特に保健師が中心となって行うことから、妊婦面接は、保健所機能を有する地域健康課及び健康づくり課で行っています。妊娠当初から保健所で面接を実施することで、地区担当保健師と顔の見える関係を築き、その後も出産や育児の不安や悩みをいつでも相談いただきたいと考えております。

 また、妊婦面接をパートナーとともに受けることは、母体の変化や区の支援に関する情報をパートナーと共有でき、妊婦の不安の軽減や、家庭内での出産・育児支援につながるものと考えます。このため区は、平成28年度から土曜面接を健康づくり課で開始し、平成29年度から回数を増やして実施しております。

妊婦面接率の向上に向けて、面接のメリットをお伝えできるよう周知方法を工夫するとともに、地域の様々な子育て支援情報もお伝えできるよう、質の高い妊婦面接を実施してまいります。

 

 

愛知県豊橋市では、これは出産後のことですが、赤ちゃん訪問のあとに民生児童委員が家を訪問し、市からのお祝い品「お尻ふき」を届けて、顔つなぎをするそうです。

 

さて、子育て世代包括支援センターは母子保健施策と子育て施策を一体的に提供する役割を持ち、支援プランの策定もその機能の一つです。大田区は産後ケアから一時預かりサービスなど、産前産後のサービスの充実を図ってきました。しかしどのステージでどんなサービスがあるのかが子育てハンドブックを見てもわかりにくく、出産後の生活の中でどんなサービスが受けられるのか、見通しを立てることができません。

 

2,お聞きします。妊娠から出産後の子育て期まで、どのステージでどんなサービスがあるのか、わかりやすい一覧表を作り、その支援事業を確認しながら、妊婦面接時、あるいは新生児訪問時に利用したいサービスのセルフプランを作成できるように支援することはできませんか。資料は世田谷区と足立区のものですが、年齢別のサービスがわかりやすく一覧になっています。子育てハンドブックも利用者目線で探しやすい項目立てにしたり、QRコードを入れて、調べやすくするなど、当事者の意見を取り入れた編集にすることも求めます。

 

答弁(荒浪明子・健康政策部・健康政策部副参事・地域保健担当)

 現在、子育てに関する様々な情報を漏れなくご案内できるよう「母と子の保健バッグガイド」や「子育てハンドブック」などのガイドブックを作成しています。

 妊婦面接や新生児訪問時に、保健師や助産師がそれらを使用し、乳幼児検診や予防接種などの基本情報のほか、妊産婦の状況に応じて必要な支援サービスを一人ひとり丁寧にご案内させていただいています。

子育て支援事業のガイドブックについては、今後も、面接や健診の際に利用者からいただいた意見を参考にしながら、わかりやすいものとるよう、関連部署と調整し、さらに工夫してまいります。

 

 

さて、この時期のパートナーの協力は非常に重要です。二人で出産を乗り越え、子どもの成長を共に喜ぶ強い絆につながります。逆に、最も辛く不安な時期に、パートナーが無理解だったり、非協力的だったりした場合、その恨みが一生消えない程の「産後クライシス」とも言われる時期です。実際、厚労省の母子世帯等調査によるともっとも離婚が多いのは子どもの年齢が0歳から2歳のときです。妊婦面接や両親学級がその後の家族の歩みに良い影響を及ぼすことを期待するものです。

両親学級に参加した男性からは、妊娠・出産時はホルモンバランスの関係で、女性は感情の起伏があると知識を得たこと、出産の大変さも知ることができて、本当に良かったと聞きました。そうでなければ、感情的になる妻とけんかをしていたかもしれないと。できれば100%のパートナーが両親学級に参加する重要性を感じます。

大田区では2019年度は出生数5,502人に比して、両親学級の男性参加者は約1,000名だといいます。

 

3,お聞きします。出産への理解を深め、協力して子育てをすることを促すためにも両親学級は非常に有効だと考えます。参加者を増やす努力をどうされていますか。

 

答弁(荒浪明子・健康政策部・健康政策部副参事・地域保健担当)

 両親学級は、母体の変化や沐浴をはじめとした育児の方法等を具体的に学んでいただく講座です。現在、平日3日制と土曜1日制を実施しており、パートナーと受講いただくことで、家庭内の出産・育児支援を促すことも目的としています。

 区は昭和61年から土曜講座を実施しておりますが、令和元年度からは、希望者が全員受講できるよう、土曜開催を大幅に増やし、パートナーと受講いただくための工夫を重ねてまいりました。

 今年度は、新型コロナウイルス感染予防のため、両親学級を中止しておりましたが、9月からはオンラインで土曜講座を再開しました。参加人数の制約が少ない上、自宅で気軽に参加できるメリットがあり、参加者アンケートを今後の事業運営の参考としてまいります。

 新型コロナウイルス感染症の状況を注視しながら、両親学級のあり方を今後も研究してまいります。

 

 

次に出産後のサポートについてです。大田区においては、4ヶ月までの間に赤ちゃん訪問があり、保健師または助産師が訪問し、乳児と産婦の心身の状況や養育環境を確認しており、昨年は92%の実施率です。実際に家庭の状況を見る貴重な機会なので、100%をめざす工夫が必要です。

 

4,お聞きします。いくつかの自治体では、出産後まもなく、入院中に病院から保健所に保護者から電話をしてもらいます。困り事がないか聞いて、必要なら育児支援にすぐにつなげ、同時に赤ちゃん訪問実施日の予約を取ると言います。多くはパートナーから電話が入ると言いますが、行政との信頼関係がさらに深まるのではないでしょうか。入院中の保護者から電話をもらう体制は作れないですか。

 

答弁(藤倉幸子・健康政策部・蒲田地域健康課長)

 出産前の早い時期から、妊婦面接や両親学級などの機会を利用して、保健師などの専門職との顔のみえる関係を形成するよう努めています。さらに、入院中や赤ちゃん訪問の際に、産後うつスクリーニングを実施し、母親の潜在化した精神面の問題の把握にも努めています。これにより支援の必要な方には個別相談や育児学級などグループワークでのフォローにつなげています。 

今後も、気軽に相談していただけるように育児の不安がある方に寄り添い、信頼関係を深めてまいります。

また、妊産婦の方全員ではありませんが、入院中から育児不安が強いなど気がかりな妊産婦の方については、病院から連絡を受け支援しています。

妊産婦の方々に、地域で安心して出産や子育てをしていただくため、区はさまざまなサポートを実施しております。

 

健康診査は、子どもの健康を見守り、子育てに安心感を得るた  めに重要なものです。健康審査について質問いたします。

今回の事例に見るように様々な事情を抱えた家庭があり、サポートの仕方は一様ではないはずです。たとえば、今回は報道によると母親は児童養護施設を退所したとあります。平成30年の厚生省の調査では社会的養護を受けている子どもには被虐待児が多く、児童養護施設に入所している65.6%が虐待を受けてきた子どもだといいます。

人格形成期に虐待を受け、保護者との愛着関係を築けないまま成長すると自己肯定感が持てず、従って人への信頼感や社会への信頼感を持つことが難しく、社会生活に適応するのが困難だと言われています。心理カウンセリングを受けて、虐待した親を客観的にみられるようになって、少しずつ回復していくとはいいますが、一生に大きな影をおとすことは確かです。区内にある母子支援施設でも3割の方が児童養護施設を退所した母親たちで、一人での子育てはとても無理だとお聞きしました。母子支援施設でサポートを受けながら子育てをしている人もあれば、要支援家庭とはならずに、人知れずがんばっている母親、あるいは厳しい状況の中にあっても、SOSを出せない人もいるのではないでしょうか。

地域健康課での検診はこれまで、1回に70人のときもあったほど、混雑して、待ち時間が長く、子どもも母親も緊張と疲れが大きかったと聞きます。また子どもの健康のみならず、問診票からはわからない親の不安や困りごとをも察知し、相談に乗れる体制をとっていただきたいと考えます。

 

5,お聞きします。現在の検診はコロナの感染拡大防止のために受付の時間を分割し、医師を増やし1回20人ほどにしているとのことですが、このような余裕のある体制を保ちながら、場合によっては心理カウンセリングを受けられたり、生活相談など他機関との連携を今まで以上に図り、サポート体制を厚くすることはできないですか。

 

答弁(藤倉幸子・健康政策部・蒲田地域健康課長)

 乳幼児検診については、地域特性はありますが、高い受診率になっています。特に今年は新型コロナウイルス感染症対策で健診を延期したため、その期間の見受診者も加わり、普段より受診者が多い状況が発生しております。

 感染対策のために、健診にあたる医師などのスタッフを増員し、健診の受付時間を2回、3回に分割するなどして、混雑の緩和と待ち時間の短縮を工夫しているところです。

 現在も健診の場で、家庭が抱える深刻な問題に気づいた場合は、速やかに地区担当の保健師等につなぎ、別途、適切な環境でプライバシーに配慮しながらお話を伺っています。多くの場合、問題解決には福祉や医療など他機関連携が不可欠です。今後も関係機関との連携強化を図り、支援態勢を一層厚くしていきます。

 さらに保健師など健診にあたるスタッフ一人ひとりが、子育ての不安や困りごとに気づける力を養い、具体的な支援に確実につなげることができるよう引き続き努めてまいります。

 

DVのあった家庭で成長すれば、普通の子育てがわからず、ネグレクトにつながることもあると考えられます。虐待通報ではなく自己通報「もう子どもを育てられない」「助けて」というSOSを発することができるような、安心感のある相談体制を作ること、すぐに救済の手が差し伸べられる体制が求められるのではないでしょうか。あらゆる機会を捉えて、「いつでも相談に乗るよ」というメッセージを発していただきたいと考えます。

羽田糀谷の地域健康課では待っている間に保育士が子どもたちを遊ばせてくれて楽しく待っていられると聞いています。検診で自分の子育てを評価されることに不安を感じる母親もいるとのことです。親も子どもも安心感を得られる会場の工夫も要望します。

大田区は、児童相談所の機能をもつ「仮称大田区子ども家庭総合支援センター」の設置をめざしていますが、現在は子ども家庭支援センターが虐待相談を受ける中で、早期発見、早期支援により、重症化を防ぎながら児相との連携を図るという重要な役目を担っています。包括的な地域の子育て支援活動や地域とのネットワーク作りより要保護児童対策地域協議会の運営や虐待対策の業務の比重が大きくなっているのではないでしょうか。

このような中で母子保健法により広く切れ目のない子育て支援をめざす「子育て世代包括支援センター」が法定化されたことには大きな意味があると考えます。

大田区は「子育て世代包括支援センター」は施設としては作らない、すでにある機能の連携をもって、その役割をすでに果たしているとしていますが、今回の事例を受けても本当にそれでよいと考えるのでしょうか。切れ目のない支援といいながら、隙間があるということを実感したところではないでしょうか。

たとえば今回の事例の母親はシングルマザーでしたが、大田区にはシングルマザーの窓口、担当がありません。シングルマザーは仕事と育児との両立に困難さを抱え、その半数が貧困だといわれています。DVで離婚して住宅に困っている人、仕事を見つけたい人もいるでしょう。ワンストップで相談にのる窓口が必要ではないでしょうか。今回のコロナ禍では、仕事を失い、収入がなくなり、食べるものがなくなって他区の民間団体に助けを求めた人もいたとききました。まだまだ実態把握が必要であり、区民が助けを求めてこれる環境作りが必要です。

 

待っていても見えない、アウトリーチをしないと見えてこないものもあります。地域が把握している困難事例をも掴み、福祉的な支援を必要とする複雑なニーズを持つ家庭への他機関との連携や利用者支援事業を考えること、地域資源の発掘や育成と連携体制、親と子どものSOSを受けとめやすい体制作り、行政だけではできない日常の見守りを地域でどう取組むか、知恵やアイデアを集めてのコーディネートを区民は求めているのではないでしょうか。

今回の蒲田の事例について、外部有識者による意見のなかでも「各種制度の案内にとどまらず、親の困り事を解消するための資源に、具体的な援助が受けられるまでしっかりつなぐ支援体制が必要である」とあります。

そういう意味でも改めて包括的な子育て家庭支援の中核となる機能が必要です。センターとして施設があることが理想的ですが、少なくとも窓口や担当を置き、切れ目のない確実な支援につなぐ仕組みの構築、そして統括、牽引する人が必要だと考えます。

 

6,お聞きします。報告書の終わりに「児童虐待の防止や子育て世代を包括的に支援するという考え方において、区としての取組みに限界があることも事実である」とあります。また「地域活動団体やボランティア等が日常的につながる仕組みが求められる」とあります。ソーシャルワークともいえるこれらの事業の統括には、子育て世代包括支援センターが必要だと考えます。「子育て世代包括支援センター」の実質的な必要性を母子保健の立場からはどう考えますか。

 

答弁(荒浪明子・健康政策部・健康政策部副参事・地域保健担当)

 区では、健康政策部とこども家庭部の既存の機能を活用し、相互連携することで、子育て世代包括支援センター機能を実施しております。

 子育て世代を継続して個別支援していく体制としましては、地域健康課の保健師やこども家庭部の各事業を担当する職員が対応し、必要に応じて連携することを基本としております。現在も、対象者の状況に応じて、保育園や医療機関はもちろんのこと、地域の民生児童委員、民間の一時預かり保育施設等とも連携しておりますが、今後は、そうした地域の方々と顔の見える関係として丁寧につながり、包括的な支援体制をより強固なものとしてまいります。

 区が掲げる「安心してこどもを生み育てられるまち」の実現には、地域の見守りや支援が不可欠です。今後も母子と様々な地域資源をつなげ、孤立した子育てを防止し、一人ひとりに寄り添った子育て支援をめざしてまいります。

 子育て世代包括支援センターとして切れ目のない支援を実現するため、引き続き機能の充実に努めてまいります。

 

2019年には特定妊婦が382名だと聞きました。特定妊婦というのは若年出産だったり、精神障害を持っていたり、妊婦健診を受けてきていなかったり、多胎児を持つお母さん、望まない妊娠によって産んだりと、特に支援を必要とする妊婦です。しかし1歳になるまで助産師が訪問して支援をする養育支援家庭訪問事業の該当者は2018年も2019年もたった28世帯です。なぜこんなにも落差があるのでしょう。予算ありきという考え方ではないでしょうが、早期の母子支援は先行投資とも言え、その後のさまざまな問題の予防にもなります。子どもの育ちは親を支えることからです。

 

悲しい事件が二度と起こらない大田区にしていきたいと思います。