気まぐれ八百屋だんだん・子ども食堂 ホームレス支援を始める
気まぐれ八百屋 だんだん・子ども食堂 ホームレス支援を始める
“だれもが人として尊重される社会をめざして”
区内では、「蒲田・大森野宿者夜回りの会」という団体が月に2回、蒲田、大森、平和島を巡回して食料や下着を配り、また主催者の越智医師が聴診器を持って、健康チェックもしながら見回りをしています。もう10年続くこの活動には定期、不定期に支援者からゆで卵やバナナ、お弁当の差し入れがなされてきていますが、この4月から定期的なお弁当の差し入れをしてくださっていた方のご都合が悪くなりました。このことをだんだんの近藤さんに話すと引き継いでお弁当作りをしてくださるとのお返事です。
「できることしかできないけどね」といつも明るい調子で。
以前、越智医師が講演で話された中に、ホームレスになる人に多いのは、まず職を失い、それから住居を失い、生活保護を求めて行政の窓口に行くと無料低額宿泊所を紹介され、そこでの生活に耐えられずにまた野宿にもどってしまい、そのうち判断力が低下し、そして精神的な症状まで呈してしまうこともあるとのことでした。
つまり貧困の根本問題は、非正規雇用問題や貧弱な社会保障と住宅政策、生活保護制度が必ずしも再起を促す効果を生みだしていないことなど諸々の社会制度を含む社会問題ではないかということです。
https://kitazawa.seikatsusha.me/blog/2018/04/30/7435/
「尊厳」を傷つけられ、もう二度と生活保護の窓口には行きたくないという人もいます。実家で虐待されて家族と関係を絶ってきている人にとっては、生活保護受給に際しての「扶養照会」が困るという人もいます。
貧困問題はこのコロナ禍でさらに深刻さを増しています。支援者がいるからいいという美談で終わらせてはいけないのです。
だんだんの近藤さんはいいます。政治にも行政にも「子ども食堂を支援するのではなくて、困窮している当事者に目を向けてほしい」と。「だって子ども食堂に来ることのできる人はまだいいけれど、来ることのできない人もいるし、“助けて”といえない人もいるんだから」と。「子ども食堂」の生みの親は、子ども食堂が全国に広がっていることに満足していません。“人を人として尊重していく社会にしないとね”と語る近藤さんでした。
貧困問題をはじめ、DV、虐待、いじめ、自殺者の増加など・・・社会問題は広がるばかりです。“人を人として尊重し合う社会づくり”を社会全体で真剣に考える必要があります。