大田の社会資源・市民活動団体、みんなで街づくりを! 区議会議員懇談会に参加してきました

毎年行われている市民活動団体と区議会議員との懇談会。今年は8月10日にキッズな大森3階会議室にて行われました。

皆、長年、熱心にそれぞれ専門的な分野で大田の地域・社会課題に取り組んできている市民団体です。その知見から共に大田区の将来像を見据えて懇談ができる場は大変貴重です。大田区の社会資源を生かして、課題解決に向けて歩みを進めていくために、現状把握の共有は、とても大切だと思わされたひとときでした。
今回は、2つのテーマで報告と懇談がなされました。

【1】子育ては社会全体で支援する    「就業と自立の困難な若者の現状と課題」
報告:森 光男さん(NPO法人ゆうえふ
森さんは、96年から不登校の子どもを支援するフリースペースを運営してきた方です。この間の社会の変化は、若者の自立を難しくしている、だから一歩踏み込んだ若者支援が必要だということを様々なデータや実態をもとに話してくださいました。
たとえば、昔は、高校・大学を出たら、正社員になり安定した雇用の中での企業内教育がなされていたものが、現在は、就職そのものが難しく、就職できても不安定な非正規雇用、労働密度の強化や成果主義の一方で、企業内教育の機会が乏しくなっています。男性の3割が人生設計を描きにくい、非正規。ニートと呼ばれる「無業」の人も80万人とのこと。自立するための機能を失ってきている社会環境といえるようです。

若者が自分の力を発揮したり、自信をつけたりする機会が極端に減っていると同時に、閉塞した息苦しい世界に追い込まれていることが想像できます。

 ●「就業支援機関」の設置・自立に向けて支援の連帯を
早い段階で(中学校)困難家庭を見つけて、継続的に支援できる体制を作ること、地域の中で交流や社会参加ができる居場所作りが必要だと、森さんは語られました。

示してくださった「子ども若者育成支援推進計画」をなるほど、と見ながら、大田区行政において、「若者支援」を中心に考える担当部署がないことに気が付きました。子ども家庭部?(18歳までが対象、なんていっている場合じゃないですけど)。教育委員会?(義務教育段階までです、というのでしょうか)。この際、縦割りを解消して、“若者の未来は大田区の未来”なので、全庁挙げて、早急に対策を打つべきではないか、と思います。

【2】「防災計画を具体的に進めるために」
報告:浜洋子さん(NPO法人 福祉コミュニティ大田
浜さんは、福祉に関する事業をしながら、地域づくりに取り組んでいる方です。大田区は、木造密集地域、液状化が心配されるところもあります。3.11以後、地震、津波、火災などの新しい被害想定とハザードマップが発表されましたが、具体的な防災施策はまだまだ作られていません。避難所運営協議会が、どのように避難所を運営するのか、災害対策本部はどこにできるのか等、区民からは見えていないことがたくさんあります。特に、「要援護者名簿の活用法」「高齢者、小さな子どものいる家庭、在日外国人」に向けての施策作りが必要だとうったえられました。

●社会資源(地域報告センター・介護事業者、NPO)の  活用で「自助」「共助」
発災後の「自助」「共助」のためにも地域住民の日ごろからのつながりをどう作っていくのか、自治会・町会だけでなく、その地域の社会資源(地域報告センター・介護事業者、NPO)をどう活用していくか、という視点が大事になってきている、また、行政が縦割りで、職員に移動があることを考えても、長年その地域に住んでいて、地域のことをよく知っている地域住民と行政がいいパートナーシップをとっていくことが大事であると浜さんは、語られました。

高齢化が進み、地域のコミュニティーの再構築は大きな、しかも喫緊の課題です。 具体的で実効性のある防災対策のためには、たとえば防災会議は委員が55人もいますが、それで「会議」といえるのでしょうか。それより部会を作って、当事者目線で具体的につめて考えていかないといけないのではないかと思います。