虐待の背景には“貧困”も。地域のみなで家族や子どもを支えよう!養育家庭体験発表会へ行ってきました
社会的養護の大転換をめざして
里親を増やそう! 施設養護から家庭的養護へ
2017年11月26日、大田区役所201にて養育家庭体験発表会が開催されましたので、内容をご報告させていただきます。
児童福祉法がこの4月に改正になりました。社会的養護の在り方が、「施設養護」から「家庭的養護」に大きく舵を切ったということが今回の特徴です。しかし里親はまだまだ足りません。この報告会では里親経験者と里子の経験者が具体的な経験談をしてくださり、多くの人に周知をし理解を求めることを目的としていました。虐待が急増し、一時保護所がいっぱいであるという状況もありますが、やはり子どもには“愛情をかけてくれる人”が必要だということを改めて感じる報告会でした。
預かる方法も長く預かる場合も緊急で数日や一日ということもあるとのこと。もっと多くの人に知ってもらい、子どもたちの緊急避難所を増やさなければ、と思いました。
【品川児童相談所より】
●虐待の背景には“貧困”。 「悪い母親」というわけではない。
一人親では生活がまわらない。
時給の高い夜の仕事に就く。あるいはダブルワーク
→ご飯の支度ができない。養育ができない
子どもに目がいかない。追い込まれている=ネグレクト
早いうちから“生活を助ける”ことが虐待の予防。
都内 児童養護施設63か所 乳児院10か所 どこもいっぱい。
一時保護所も定員を超えている
(一時保護所:外出できないルール、学校に行けない)
→ 里親が預かることができれば、学校にも通える。
少ない里親 大田区では24家庭が登録。実際里親を実施している家庭は、20家庭以下。
●里親を増やしたい→子どもにとっての大切な時間を増やしたい
児童養護施設・・少ない職員でしかも交代制。
「ねえねえ」と話しかけても聞いてもらえない。家庭の味がわからない。
【体験記・1】
里親:Oさん(実子5人、長期の里子5人、短期・緊急を含めると15人)
「赤ちゃん返り」や「親を試す行動」は、地域の助けがあって乗り越えた。
K君:3歳から。お昼寝をしない、夜寝ない。目の下に隈、隣の部屋に行くにも「だっこだっこ」。気に入らないと2時間でも泣く。「私だけを見て、私だけを愛して」という行動。怒らせることばかりする。生き物が好きで、金魚やどじょうを大切に飼っている。
A子さん:小学4年から。「大人だからって自分の子どもを捨てるなんて最低だよね」という。なんとか心の不安を取りのぞいてあげたい。親が長期入院したという同じ年の子どもを預かることに。仲良くなり助け合うようになったが、悪いことも大胆にするようになった。プチ家出、校長、副校長が見回りをして協力、理解。
Oさんの感想:
ある施設に行ったら、設備や環境的にはとても恵まれている。しかし職員は、「ひとり一人を膝に乗せてあげられない」と言っていた。どの子どもにも居場所があってほしい。笑顔になれるように、自立した責任ある大人になれるように願う。社会的養護が必要ない社会になってほしい。
【体験記・2】
元・里子・Mさん(19歳)
乳児院から3歳の時に里親の元に。16年間、里親の元で生活する。
里親である両親や2人の兄と交流の後、里子になる。はじめは全く口を聞かなかった。真実告知をされると何度か確かめに行った。「お兄ちゃんはお母さんが生んで、私は違うんだよね」と。他の家庭をうらやましがることはなかった。里親が「娘を持つことが悲願だった」といってくれたことがうれしかった。850グラムの双子で生まれている。低身長症など病気がち。
保育者をめざして勉強中。戸籍謄本を見て、両親が離婚していることがわかった。会いに行くつもりは全くない。それなりの事情があったことだと理解する。
児童相談所所長から
家庭で「目をかけ、手をかける」ことの大切さ
→ 施設にいたときに発症していた「ぜんそく」「アトピー」「アレルギー」が不思議と改善。
まったくしゃべらない子どもがしゃべるようになったり、おとなしかったのに活発になったり・・・。
“新しい子どもに生まれ変わる”
里親を増やすための周知活動を展開
“10人くらい集まれば、勉強会に出向きます。町会でも民生委員でも”