発達障害って何 !? こんな時、どうしたらいいの? ”

6月18日、キッズな大森にて  講習会

6月18日、キッズな大森で行われた
「発達障害って何!?こんな時、どうしたらいいの?」という、
講座を受けてきました。

主催は「あか・しろ・きいろ発達障害者(児)支援団体 」。
講師は、発達障害の子どもたちが週に一度通ってくる
学校内のクラスであり、「わかあゆ学級」と呼ばれている
小学校の通級指導教室の先生を以前なさっていた
吉澤敬子先生です。(今は足立区で支援員をされているとのこと)

大田区には、今、小学校に9つ、中学校に3つの
通級指導教室があり、1日に4〜5人が集い、
集団の時間と個別指導の時間があるということです。

主催者であり
あか・しろ・きいろ発達障害者(児)支援団体 代表の相澤さんは、ご自身のお子さんが発達障害だったことから、
大田区にはたらきかけて
初めて通級指導教室を生み出した功労者。
もう13年も障害児の支援活動をされています。

発達障害といえばアスペルガー、学習障害、ADHDが
よく聞かれる診断名ですが、子どもによって様々な状況だったり、複合的だったりするので、大事なことは、

“その子が何が得意で、何が苦手で、何に困っているのかをわかってあげること”
に尽きるとのこと。

いいところを引き出す、
その子らしさが発揮できるようにすることだそうです。

さて、講座の中で紹介された事例です。

事例1

 1年生のある子どもは、音に敏感で、
 隣の教室で音楽が聞こえだすととたんに落ち着かなくなります。

 好きなことは、漢字を書くことと図工。
 国語の授業では、先生の読む文章の中で、
 ある単語に反応して、騒ぐことがあります。

 文章ではなく「単語」だけが、認識されてしまうようです。
 そんなときは授業妨害とみなされてしまいがち。

 国語の教科書を嫌がるので、訳を聞くと、
 教科書は行間が狭いので、読みにくい、
 文章の流れについていけないそうです。
 プリントにしてあげると読める。

 子どもにはプライドがあるので、自分ができそうなことなら、
 やってみようと思います。

 小さい子とは遊べるけど、同級生とは遊べない、
 大きい子にはかまってもらいたい。これもプライドがあるからです。

事例2

 5年生のある子どもは、学校でいわれたことは、
 完全にやらないと気がすまない。

 宿題は夜中までかかって取り組む。
 その結果、寝不足で学校に行けなくなり、不登校に。

 支援学級で「何をやりたい?」と聞くと、「段ボールハウスを作りたい」。

 段ボールの調達から設計、組み立てまで、3か月かけて、
 ほとんど一人で取り組んだそうです。
 段ボールは学校の主事さんに交渉に行き、組み立てるときには

 ガムテープはどう貼ったらじょうぶになるか、考えながら取組み、完成の折には、自分で友だちに

 「僕がつくった段ボールハウスで遊んでください」と声をかけたそうです。

 友だちが喜んで遊んでくれる様子に、
 彼は、とても大きな自信を得たそうです。

先生のことば

発達障害の子どもたちは、
気が小さくて、まじめで、優しくて、けなげです。

周りに理解されないことで、
2次障害が起きるということがないように、

その子にあったプログラムの中で、
自信と成功体験を持てるようにしてあげたい。

だれでもそうですが、自分らしく生きていけるように。

先生の子どもに寄り添った実践報告に、
子どもたちが自分を少しずつ発揮していく様子が目に浮かびました。

発達障害の子どもたちは、年々増えている傾向にあるといいます。

できるだけ早く発見して、その子の苦しみを軽減しながら、
自信をつけるためのプログラムを経験してほしいものです。

理解をされずにいじめにあったり、
「どうせできないんだ」と自分の殻に閉じこもらないですむような周りの関わり方が大事だと感じました。

解決型の支援団体「あかしろきいろ 」は、
障害児親子の相談、支援員さんの研修を通して、
発展的なコミュニケーション、その子どもに合った
具体的な方策を示してくださるとのこと。

心強いサポーターです。

代表の相沢さんからも具体的な子どもとの関わり方への
アドバイスがありました。

その年齢に応じて、子ども自身が自分を知っていくことが大切
であると。〝何が苦手で、不得意なのか”

無理にまわりになじもうとして、へとへとになった高校生の事例を通して、

自分を見つめて(もちろん親もいっしょに)、自分のできる
方法で、自分を表現していく

その手立てを見つけていくことが大事だと
いうお話をしてくださいました。

相沢さんは、次は就労支援にも取り組んでいきたいとも
お話しされていました。

乳幼児から学校生活への連携、放課後の過ごし方、
学童保育、そして就労支援。

一連の流れの中で発達を保障され、家族へのサポートも同時にあって、

安心して見通しをもって生活していける体制の必要性を感じるものです。

区内で、唯一の区立の相談窓口
「子ども発達センター・わかばの家 」が民間委託になろうとしています。

適切な療育を受けられて、
保護者がしっかりサポートしてもらえるような施設を期待するために、

ニーズや課題を把握していきたいと思います。