これって、あるようでない。すばらしいプロジェクト! 大学と学校現場との協働作業による連携
子ども文教委員会の視察報告です。以下の記事も併せてご覧ください。
⇒沖縄・本気の貧困対策 子どもの貧困対策の推進
⇒うるま市教育研究所の取組みについて 「わかる授業づくり」・子どもの自立をめざして
学力向上先進地域育成事業の取組みについて
学力向上先進地域育成事業とは、生徒児童の「確かな学力」の向上をはかるために大学の教育学部と学校現場が連携して、授業の改善を図り、よりよい学習環境の 充実を図るシステムです。学校現場では授業が最も大事なので、教師の授業力を高めていき学力の底上げの方策を研究機関と二人三脚で研究模索していくわけです。
●琉球大学教育学部“沖縄県の子どもの学びと育ちを支える”プロジェクト
具体的には「地域指定系委託型」、「課題設定系委託型」及び「申請型」の3つのパターンで事業展開がなされています。
【1】「地域指定系委託型」:地域と学校を指定し、地域ごとのニーズをふまえて1年間集中的にその学校と大学の教員が協同研究をする。
【2】「課題設定系委託型」:地域を横断して、4つのテーマごとのプロジェクトに分かれて取り組む。
例:「考えること」と「話し合うこと」を中核にした道徳授業の推進
【3】「申請型」:教育学部の教員が独自のアイデアを本事業に申請し、取り組んだプロジェクト。
例:コックさん学校
教育学部の学生が土日に模擬学校を開催する。「コックさん学校」とは「国語(コ ック)と「算数(さん)」のこと。遊びの要素を入れて楽しく国語と算数を学ぶというコンセプトで行われるが、模擬とはいえ、校長もいる学校運営が学生に教職への意志を高める実践となっている。
その他 「アドバイザリースタッフ派遣事業」
琉球大学と地域社会の連携、大学のもつ研究成果を地域に還元することを目的として、学校での校内研修などに教育学部の教員を講師として無料で派遣する事業。また教育相談にも対応する。
沖縄県からの委託事業であるとのことですが、この事業を通して、研究機関の大学と地域の学校現場の先生との距離が縮まったことを成果にあげられています。授 業を改善したいと思っている教師は多く、一方、大学の教員は地域を知ることと研究の成果を現場で確認しながら検証していきたいことでしょう。なによりより よい授業のあり方を共同作業で追求したことの連帯感の心強さは大きいようです。