初心者・車いす日記 12月~1月13日
●とにかくブレーキ
初めて車いすで外に出ようとして、腰掛ける時、ブレーキをしていなかったので、ぐっと後ろに椅子が下がってしまってとても怖い思いをする。どんな時もブレーキをしなければならないこと、身を持って知る。
車いす
ブレーキ部分
●踏切は要注意
普段は感じなかったアスファルトの道のでこぼこ。特に水道工事や下水道工事のあとの小さな段差も車輪の動きに影響するので注意が必要。
でこぼこといえば、一番大変だったのは、大森郵便局の裏手の踏切。
山谷道踏切
う回路案内
東海道線と京浜東北線が通っているので線路の数が多くその分、幅のある踏切なので、渡り切れるかどうか不安。線路の隙間にレールがはまらないように走行するだけで大変なのに、全体的にでこぼこすぎて要注意。
踏切全景
レール部分
●映画「こんな夜更けにバナナかよ」
映画「こんな夜更けにバナナかよ」を川崎ラゾーナに観に行く。主演は大泉洋。12歳でキンジストロフィーと診断され、20歳までの命と宣告されながら、43歳まで果敢に生きた青年の実話。下半身まひという状況にも関わらず入院ではなく多くのボランティアに支えられながら自宅で生活。自分らしく素直に夢を捨てずに生きていく。障害があるなしに関わらず、“自分に正直に生きること”には覚悟や勇気が必要だが、“自由”の尊さは何物にも代えられない。
はじめは障害があって助けられているのだから、謙虚にすべき、わがままをいってはいけない、という意識で主人公を見ていたが、そもそもそういう考え方が「差別」だと気づく。私たちの差別感は「○○だから○○であるべき」という枠に入れ込みがち。主人公を取り巻く人間模様からは、ただただ“みんな同じ人間なんだ”と教えら、フラットに人をみることのできる平等感が人生の豊かさに通じると笑いながらもつくづく感じる。実に素敵な映画。
●仲間だぜ、ベイビー
車いすに乗っていると、行き交う大人の目線よりずっと低くなるので少し卑屈になりそう。そんな時、目線が同じベビーカーの子どもが「ばいば~い」とまるで「仲間だよ」と言うように手を振ってくれることがあるので、なんだかとってもうれしくなる。
●バス停でのバスの停まり方
バス停でバスを待っていたら、やってきたバスの運転手が下りてきて、「歩道に幅寄せができなかったので、いったん道路に降りてきてください」と言われる。歩道と道路の間の段差はけっこうあるので、降りるのはかなり負担。どうにか道路に降りて、ステップを渡してもらって、バスに乗り込むことができた。なぜ幅寄せができなかったかというとバス停の手前に路上駐車している車があったから。私も以前はそんな駐車をしたことがあったかもしれない。全方位に想像力をめぐらすことは難しい。