足立区の子どもの貧困対策「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」3日目
全庁をあげて、予防、連鎖を絶つ
【足立区の子どもの貧困対策】
3日目は足立区の子どもの貧困対策担当課からお話を伺いました。
虫歯の本数や朝食の摂取、読書量、運動習慣、自己肯定感など、子どもの健康と生活の実態調査(足立区立小中学校生徒へのアンケート調査を東京医科歯科大学と国立成育医療研究センター研究所が集計・分析2017/2018)から、「生活困難は子どもの健康や生活に少なからず影響する」「保護者に相談相手がいると子どもの健康リスクが軽減される」「子どもが運動習慣や読書習慣を身につけると逆境を乗り越える力を伸ばせる可能性がある」「親以外の第三の大人とのかかわりが逆境を乗り越える力を伸ばせる可能性が高くなる」と導き出しています。そこで足立区では、子どもを取り巻く家庭環境や生活習慣を変えていくことによって、できる限り生活困難の影響の軽減を図る、保護者への相談や、子どもが地域につながり、経験や体験を積む機会を増やす施策を充実させる、というプロジェクトに反映させようとしています。
れいわ新選組の船後さんと一緒に足立区の子どもの貧困対策についての取り組みを聞いています
※生活困難とは(足立区)
1,世帯収入300万円未満
2,生活必需品の非所有世帯
3,水道・ガスなどのライフライン等の支払い困難経験世帯
これらの一つでも該当する場合を「生活困難」世帯と定義した。
ひとり親家庭の相談コーナー
子どもたちの健康データを乳幼児の頃から中学生まで積み上げていく試み、指標を持って全庁的に取組む体制には大いに感心しました。足立区では「政策経営部子どもの貧困対策担当課」が担当しています。つまり区長部局が貧困対策の牽引役なのです。多くの自治体は福祉部がその担当ではないかと思いますが、大田区の場合も、子どもの貧困は「福祉部」の中の「子ども生活応援担当」が中心で担っています。
縦割りになりがちな行政組織ですが、横断的に大局的に、生活困難とその影響の実態把握から、どうしたら子どもの成長を阻害しない環境を作っていくべきか、子どもの成長は待ってくれません。大田区も急ぎ考えていくべきです。
文教科学委員会に属している船後議員も共に学びましたが、「だれも置き去りにしない社会」をめざして共に歩んでいきたいと思いました。
足立区議会の前で
大田区も子どもの生活実態調査を2016年に実施して、生活困難層が21%という結果を出しました。2019年度の子どもの生活応援プランには、3つの柱として
1, 経験・学力
2, 生活・健康
3, 居場所・包摂
という施策体系により部局間の連携強化を図り、事業展開をするとしていますが、まだ具体的な施策は見えてきていません。
足立区では環境部の発案で「環境学習ツアー」が行われた他、地域と学校が協力して朝ご飯を提供する試みも行われているそうです。学校をプラットフォームにしていくということは足立区の取り組み姿勢の一つです。
私たちも子どもの声を聞きながら、行政は何をすべきか、学校は、地域は、民間は何ができるのか、しっかり考えていきたいと思います。足立区の果敢な取り組みには大いに刺激を受けました。
れいわ新選組の船後さんと