香害って知っていますか  ~子どもを守るナチュラル生活~

香害ゼロプロジェクトのみなさんと

「香害って知っていますか?」

     ~子どもを守るナチュラル生活~

 

                                                       香害ゼロプロジェクト(大田区社会教育団体)

                                                                             2020年1月26日 消費者生活センターにて

 

柔軟剤などに含まれる香り成分の影響で体調不良になる人が増えてきています。頭痛やめまいや呼吸困難、皮膚の疾患など、日常生活に大きな支障を及ぼすものです。因果関係を証明することはできなくても、何百何千という種類の合成化学物質を組み合わせた洗剤や消臭剤等の人体への影響、特に感受性の高い子どもへの影響には予防原理にたって、気を遣いたいものです。

 

この日は「香害とはどういうものか、その原因」「体調不良、化学物質過敏症の実態」「予防となる生活習慣」というテーマで具体的な話しを聞くことができました。

まずは、「カナリアからのメッセージ」という短い映画を観て、化学物資過敏症への理解を深めました。https://blog.canaria-project.jp/2019/06/12/canariamessage/

化学物質過敏症当事者の話の中では、ある日、突然、電子たばこの宣伝会場の前で、気を失い、2ヶ月間は寝たきり、その後、あらゆる合成洗剤、柔軟剤、消臭剤などに反応するようになり、家の中のものを全て入れ替えたという体験、他にも、順番に回ってくる学校給食着からの柔軟剤の匂いに耐えきれず、子どもが不登校になってしまう、学校に行けるようになっても教室に入れず、別室で勉強せざるをえなかったなど、それぞれ壮絶な体験が報告されました。

対策、予防の例としては、

・自宅室内に化学物質(防虫剤、殺虫剤、芳香剤等)を持ち込まない

・睡眠時間の確保、メンタルケア

・食事は和食中心で、質のよい野菜をしっかり

・汗をかくライフスタイル

・電磁波をなるべく避ける

・自然素材の衣服にする等

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私たちは便利さや快適さを追求する中で“自然”な生活と乖離してきていることに気が付かされました。まずは、きれいな空気、安心な食や住環境が基本だと、もう一度確認することのできた集会でした。健康な生活を心がけることは、地球環境を守ることにも通じますね。

 

集会の最後に、レイチェル・カーソン※を日本に紹介した上遠恵子さん※※からのメッセージが紹介されました。以下。

最近私は、子どもの時から化学物質過敏症で大変な思いを経験された40代の女性の手記を読みました。それは、豊かさと便利さを求めて走り続けてきた私たちの生活を反省する機会を与えてくれました。

 今から58年前、化学物質の環境汚染問題を世に先駆けて告発した「沈黙の春」の著者レイチェル・カーソンはその中でこう言っています。

 “大量の薬品に体を晒せば急性の中毒に陥る。だが、少量の薬品は、じわじわと知らないあいだに人間の体にしみこんでいく。それが将来どういう作用を及ぼすのか。こういうことこそ、人類全体のために考えるべきであろう。”

 私たちは、子ども達のためにも日常生活の中にある化学物資を減らすために努力していきたいと思います。

                      レイチェル・カーソン日本協会会長

                                 上遠恵子

 

※レイチェル・カーソン

アメリカのベストセラー作家で海洋生物学者。1962年「沈黙の春」を表す中で、農薬などによる環境汚染と地球環境の破壊を警告した。発表当時、世界に大きな反響を及ぼし、農薬を制限する法律制定を促す流れとなった。

※※上遠恵子さん

東京薬科大学卒業。研究室勤務、学会誌編集者を経て、現在エッセイスト。訳書に、レイチェル・カーソン「海辺」「潮風の下で」「センス・オブ・ワンダー」他。レイチェル・カーソン協会会長。大田区在住。