”ごみ”から考える 私たちの生活 その1

清掃は私たちの生活に欠かせない重要な公共事業の一つです。日々の生活ごみのことから、「プラスチックごみ」にみるように、世界規模の環境問題にも通じるのが清掃事業です。

「たかがごみ、されどごみ」ですね。

 

8月17日、エールおおた区議団で飯田橋にある東京23区清掃一部事務組合(以下「清掃一組」)の事務所を訪ね、その事業の概要をお聞きしました。単身高齢者の増える社会のなかで、ごみの収集のあり方など時代にあった清掃事業についても考えさせられる視察となりました。

清掃事業のうち、①ごみの収集・運搬・資源回収は各区が行い、②焼却や破砕などの中間処理(清掃工場の管理・運営)は清掃一組が行うという役割分担をしています。

ここでは、区の事業と清掃一組、それぞれの事業についての報告と今後の課題を考えてみたいと思います。

 

  • 収集・運搬・資源回収について(自治体の役割)

ごみは種類ごと(可燃・不燃・粗大)に収集・運搬されます。可燃ごみは収集車(小型プレス車など)に積み込み、直接、清掃工場に搬入します。不燃ごみは大田区の場合は京浜島不燃ごみ処理センターに搬入します。粗大ごみは粗大ごみ破砕処理施設(中央防波堤内側埋立地)に運ばれ、処理されます。この基本ルートはどの区も同じですが、収集の仕方や資源の分け方には区によっての違いがあります。

  

・収集の仕方

大きく分けて、“集積所での回収”と“戸別収集”(一軒ごとに家の前に置いておく)

 

品川区と台東区は全域で、北区は半分の地域で、戸別収集を行っています。品川区での収集の様子をDVDで見せていただきましたが、そこでは職員が戸別収集のメリットをこう語っていました。

  1. もし間違って出されていたときは注意ができる
  2. きちんと分別されている
  3. リサイクルが増える
  4. ごみ量が減る
  5. 区民と直接話ができることで、やりがいを感じる一方、区民からの感想は「集積所だったときは、いつも汚れていたが、自宅の前にごみを出すようになって、ごみに対する意識が変わったせいか、街がきれいになった。」と。

DVDに映し出された、車の入らない狭い道を手作業で集めていく職員の大変さを考えると集積所方式の方が効率的ではあるかもしれません。しかし目先の効率性より“ごみを少なくしよう”という人の意識の変革が全体でのごみの減量に寄与するのではないでしょうか。

また今後は単身高齢者が増えることから、福祉的な意味での戸別収集や訪問収集のニーズは高まるにちがいありません。安否確認を兼ねることができることに着目している自治体もあります。今後、福祉や防災危機管理など、自治体として清掃事業と他部局との連携の可能性を探りながら、住民福祉を充実させる施策を提案していきたいと思います。

 

〈参考〉

北区の訪問収集・ふれあい訪問回収(安否確認を兼ねる)

http://www.city.kita.tokyo.jp/kitakuseiso/kurashi/gomi/bunbetsu/kate/fureai/index.html