子ども・子育て関連3法
子ども・子育て支援を総合的に推進するために
「子ども・子育て関連3法」
不安定な政局の続く中、8月10日、社会保障と税の一体改革に関する特別委員会及び参議院本会議で民主党・自由民主党・公明党による3党共同修正の後、「子ども・子育て関連3法」が可決されました。
内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)村木厚子さんからお話を聞く機会に恵まれましたので、簡単に要約して報告いたします。
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★子育てをめぐる現状と課題から
・急激な少子化の進行の背景には、家族、地域、雇用の環境の変化
・「子ども・子育て支援が質・量ともに不足」
家族関係社会支出の対GDP比の低さ
(日本1.04%、フランス3.00%、イギリス3.27%、スウエーデン3.35%)
★「3法の主なポイント」子ども・子育て支援を総合的に推進するために
① 認定こども園制度の改善(質の高い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供)
② 認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付及び小規模保育等への給付の創設
(保育の量的拡大・確保 / 待機児童の解消・地域の保育を支援)
③ 地域の子ども・子育て支援の充実
(利用者支援、地域子育て支援拠点、延長・病児・病後児保育事業・放課後児童クラブ・妊婦健診等)
★そのための仕組み
●基礎自治体が実施主体
・市町村は地域のニーズに基づき計画を策定、給付・事業を実施
・国・都道府県は実施主体の市町村を重層的に支える
●社会全体による費用負担
・消費税率の引き上げによる、国及び地方の恒久的財源の確保を前提
●政府の推進体制
・制度ごとにバラバラな政府の推進体制を整備
●子ども・子育て会議の設置
・国に有識者、地方公共団体、事業主代表・労働者代表、子育て当事者、子育て支援当事者等(子ども・子育て支援に関する事業に従事する者)が、子育て支援の政策プロセス等に参画・関与することができる仕組みとして子ども・子育て会議を設置
・市町村等の合議制機関の設置努力義務
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簡単にいうと、まず、都市部においては、待機児童解消のこれまで以上の強い推進を掲げ、そのために事業者の参入の幅を広げ、多様なサービスの担い手を増やしていけるようにしています。同時にどの子どもにも公平に質の高い保育・教育が施されるように、内閣府が総合的に所掌、基礎自治体はしっかりニーズを把握して、計画・指導・支援をしていき、なおかつ「子ども・子育て会議」において当事者の声を聞きながら、地域の子育て環境を充実させていこうというものです。
予算は、現在のところ、7兆円。消費税増税には複雑な思いがありますが、この7兆円がしっかり“子どもと子育てのために”有効に使われることを願います。
保育所にしても学童クラブにしても、よい事業者が生まれること、市民の支援と監視が今後の大きな決め手になるとのことです。市民が地域作りに参画する絶好の機会ととらえ、子どもたちが豊かに育つ環境作りを積極的に考えていきたいものです。