災害への備え “正しく恐れて、正しく備える”

12月10日、区議会超党派の勉強会で室崎益輝さん(兵庫県立大学大学院・減災復興政策研究所教授・研究課長)のお話をお聞きしました。台風19号では多摩川氾濫の危機、実際、田園調布では丸子川が氾濫して、600件を超える浸水被害がありました。温暖化に伴う自然災害の増加・巨大化や首都直下地震の対策はまったなしです。しかもその対策においては、単身高齢世帯の増加・コミュニティーの脆弱さの課題を抜きにしては考えられません。

 

室崎先生

 

室崎さんが、強調されたのは“人間に焦点を当てた、人間を中心にした取り組み”です。これまでの災害を詳細に分析するなかから、一人ひとりがどう行動するかが減災につながり、“人間復興”“生活再建”につながるという指針を示されました。自治体として、新しいコミュニティーの在り方や地域密着の具体的な取り組みが求められています。私も「我が事」と捉えられる防災の在り方を模索していきたいと思います。以下は、私の備忘録でもある講義メモです。

 

科学的な「危険認識」と科学的な「減災戦略」が被害軽減のカギ
1、油断大敵、用意周到
2、悲観的に想定、楽観的に準備
3、リスクマネジメント、クライシスアセスメント

阪神大震災のときに、机の下にもぐり、その机が真っ二つに割れて押しつぶされて死んだ人が多かった。また超高層ビルは倒れないけれど燃え上がる危険性。防火扉が閉まらない、スプリンクラーが高層階では機能しない危険性がある。『地震のときは机の下に身を隠す』とか『スプリンクラーがあるから大丈夫』という常識が、大災害の前では通用しない、だから自分で科学的な情報を収集し、考え、判断する力をつけることや日頃から家族とコミュニケーションを取っておくことが大切。

 

防災から減災へ、防災対策から危機管理へ。行政主導から連携協働へ
都心の脆弱性、荒川が氾濫すると大手町や丸の内は12時間で浸水。約100駅が浸水。250万人が要避難との国交省の推定がある。どこにどのように非難するかが問題。シュミレーションし、どこにどのくらい受け入れられるか、分析が必要。災害時の市民のとった行動の分析も重要。

社会的つながりの衰弱は一層進み、一人暮らしの高齢者の逃げ遅れなど、阪神大震災のときよりさらに被害は大きくなる。

 

地球温暖化と豪雨災害

 

地域密着の取り組みを強化
地域防災協議会:働く人も支える人も
地区防災計画の策定:みんなで考え、みんなで作り、みんなで実践。(避難所の献立・・)

自助:共助:公助 7:2:1 から 5:∞(無限大):5をめざそう

・与える支援ではなく引き出す支援を! 自助力を高める方法(突き放す行政ではいけない)
・アメリカ:赤十字が避難所運営。医療との連携を取りながら市民の力を活用するコーディネート。
・防災教育が大事、防災士の資格取得に助成している自治体、23区中7区。大田区はしていない。

 

首都直下地震の被害想定